アイヌの娘が海岸で海草取りや貝取りをしている。海には鮭も来ている。そこに若い武士や通訳の役をしている土着の人数人を乗せた和船がやってきた。娘に族長の所に案内してくれないか?と話しかけている。
娘はどきどきしながら、族長の所に若い武士を案内した。彼は松前藩の藩士で、アイヌとの貿易のためにやってきたらしい。彼女は何度か訪れてくる彼に見知らぬものへの憧れと淡い恋心のようなものを抱き始める。
しかし、彼は異人種と言ってもいいくらいかけ離れた人。彼女の心の中だけで、この淡い恋は終わりました。彼女は同じ部族の男の人と結婚し内陸部の深い山奥へ移住していきました。彼女の守護神は狼と鮭。そんな前世が視えました。
印象的だったのは彼女の黒い瞳の色。彼女が移住していった山奥の黒い森の色と同じ色。深い深い森があり、豊穣の海があり、人が深い自然と同化して生きていた古代の蝦夷地。憧れの土地、憧れの時代。憧れの神々のおられた時空間です。人の魂の系列の中に、霊魂のふるさととも言える時代と土地が生きているようです。

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