その人を霊視したときに視えたのは、フェルメールの絵のような光と影の中間に佇んでいる貴婦人の姿でした。
光は正しい行いを象徴し、影は悪い行いを表しているようで彼女はその中間に佇んでどちらに属すればいいのか悩んでいるように視えました。場所はヨーロッパ。時代は十六世紀くらいでしょうか。彼女はその性格がふわふわしているというか、優柔不断というか、自分自身が自分でも掴みきれない様なところがあるので自分を持て余し気味だったようです。
人は正しい行いと誤った行いの判断地点に、常に立っているといってもよいかもしれません。そして、出来るならば常に正しい行いをなそうと努力しているわけですが、時にはふらふらと間違った行いに走る場合もあるわけです。
外から客観的に見ている者からすれば、それこそフェルメールの絵画のように陰影がくっきりとわかり、判断はたやすいことでも本人になってみるとどちらに踏み出すか迷ってしまうものだろうと思います。
彼女はスピリチュアルの相談を受けに来た方ではなかったので、何となく視えたもののお話をすることもなく帰られていかれました。彼女は今、判断の岐路に立っておられるのだろうと思います。そして、まだまだ悩み続けて自分を鍛えていかなければならない時期だったのだろうと思います。身体の状態を見ても、それほど精神的に追い詰められた様子はありませんでした。悩みはあるけれど、充分余裕を持って悩んでいる様子でした。それで、霊視した内容も告げず帰っていただきました。
光と影の間に佇む姿。その陰影の美しさにフェルメールの絵画を想像したのですが、フェルメールはその絵の具の「青」にラピスラズリという高価な宝石の砕いたものを惜しげもなく使っていたとの事。光と影の間で輝く「青」の煌きは、もしかしたら人の英知を表現していたのかもしれないなぁ・・なんて思ってしまいました。

0