金沢に住んでいると、南の方に行った時「白山」の白い頂を見ることが出来ます。北の方にいると大門岳や薬師岳といった山々に隠されて見ることが出来ません。
山頂の様子はそれほど美しい姿をしているわけではありませんが、何よりもいつも真っ白に雪を抱いているその「光り輝く」姿は人に特別な思いを抱かせるものです。
白山からの扇状地に出来上がっている加賀平野は米どころ、名酒の産地として有名です。加賀の菊酒という名前は古くから日本中に響き渡ったものでした。
金沢から白山をその頂点として、山々の連なる姿を仰ぎ見ると日本人としての懐かしい感覚を覚えてしまいます。平野に緑の水田が広がり、中ほどの大きさの川が流れ、水清く、山裾の緑は濃く淡く豊かに広がり、空との境目には真白き白山の頂が光っています。故郷の風景を思い描くときに私には、この山並みや平野の水田が心に浮かんでしまいます。
海はなだらかに西南から北東に一直線に線を描いて続いており、綺麗な海水浴場が能登まで点在しています。日本海の幸も簡単に手に入り、近くの富山湾では天然の生簀と言われるほどの漁獲量があり、ぶりやホタルイカと言った美味なるものが季節毎に手に入ります。
白山は石川、福井、岐阜にまたがってそびえています。霊山としても名高いですが、私にとってはとても身近な山です。登山ルートが石川からだけでも何ルートもあって、いろいろなルートを登ってみたりもしました。とても懐が深くて、水の貯水量が半端でないくらい多い「水の山」だと私は感じています。白山によって「生かされている」んだよなぁ・・といつも仰ぎ見る度に感じてしまう私なのです。


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