小学校の六年生のときに隣りの席の男子に借りて読んだ文庫本の「レンズマン」E・E・スミス著がSF小説に触れた最初でした。
すごかった・・。みるみる引き込まれて、ストーリーは「レンズ」というツールをアリシアのメンター(導師)から授かった地球人がそれによって「心」の力に目覚めて主にテレパシー能力を駆使して悪と戦っていくというものだった。
いろいろな宇宙人が現れて、それぞれ形態は全く違うのに「心」の基本的なパターンが同じで、それぞれの世界でそれぞれの「レンズマン」がいて、それが共通の仲間を作り上げていって、それぞれの世界で悪と戦っていくのに、いつのまにか共通の根本悪のような悪の張本人に、皆が団結して戦いを挑む形になっていく・・。作者の非常に上手なストーリー展開にとても分厚い文庫本5冊のシリーズをあっという間に読破してしまいました。
いじめを受けていた時期でもあったのだけれど、「本の世界」はとても居心地が良くて、そんな現実をいっぺんで忘れさせてくれるものでした。レンズマンに文字通り救われたのかもしれません。
人の「心」の世界というのが広大で種種多様なパターンがあって、とても面白いものなんだなぁ・・なんて勝手に考えていました。「心理学」なんかも小学生なのにかじってみたりしていたものです。小学校の図書館の哲学書のコーナーなんかを読破していたものでした。読んだ内容の半分も理解できなかった記憶があります。
でも、SF小説の世界は広大で、とても非常識な世界で、心がワクワクと飛び跳ねるものでした。あっという間に別次元の世界で心が遊んでいるのを体験できたものです。「センスオブワンダー」とSFファン達は、その感覚を呼んでいたようです。
今も「センスオブワンダー」は私の心の中にあります。たぶん一生心の中にいてくれるだろうと信じています。これがある限り私の心の中には「小学生のころの自分」がずっといてくれるような気がしています。

0