私達はこの日が来るのを待っていました。
そして今日、とうとうその日はやってきたのです。
暑い日差しが西へ傾き掛け、暑さの緊張がゆっくりと解かれていく時刻でした。
何層にも梱包されたその荷姿は、10数年という刻を封印するのに充分たるものでした。
店長がおもむろに解き始めます。
そこに居合わせた人々が固唾を飲んで、その指先を見守っています。
遂に!現れたのです!私達の目の前に!
奇しくも一斉に感嘆の声が上がりました!
「おー−ッ」
広島県 賀茂鶴酒造
『大吟醸雫酒原酒 天凛』
この日本酒は酒造好適米山田錦を約100時間(4昼夜)かけて32%まで精米し、大寒の中秒単位の手作業による洗米をし、手仕込みをした大吟醸雫酒原酒を3度で、10年余り低温蔵にてゆっくり熟成させたという
いわゆる「贅を尽くした日本酒」と言えますでしょう。

お買い上げいただいた蛭田さん(天凛を持っている方)とその友達は
「奥さんも一杯どうぞ」と何度を言って下さいました。
後ろ髪引かれるとは、まさしくこのことかも知れません。
危なく手が出そうになりました。
でもそこは必死に堪えました。
なぜなら、みなさんもご存知のように封を開けた一杯目が
至福の時を約束させるのです。
それはお客様のもの だからです。
蛭田さん!空き瓶でいいから頂戴ね(^_-)-☆
「天凛 てんりん」
アルコール分 17度以上18度未満
精米歩合 32%
日本酒度 +4.5
酸度1.3
価格(税込み)31,500円

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