2/3(日)東山ZooStation 鈴木実貴子ズ企画に行ってきた。
5組の出演者、どれもが見れて良かったと思えて、それは少し驚きですらあった。
1組目のポチ(ヨダアミ)さんは、技術的に素晴らしいと思う。
歌の上手さにはいろんな要素があるけれど、きっと10の要素があるとしたら8くらいはクリアしているんだ。
たとえば僕なんかだと、10のうち1くらいだと思う。
伝わりづらい気がするけど、10のうち8もクリアしてたら、もう何を歌っていても成立しちゃう感じ。
アミさんはボイスパフォーマーとしてのキャリアもある人だけれど、ギターにしてもコードを覚えるとこから始めて1〜2年で上達っぷりが早くって努力家なのだろうか。それともスーパー器用なのか。
少なくとも技術があるという事だけで、いくらか観客にとって救いになる。なってしまう、という面もある。
2組目、千葉・柏からの「偶然の産物」さんは、自前の照明器具以外完全暗転のステージでのギター弾き語りで、まさに偶然の産物というべきか思いつきのような曲の終わり方などしながら、ちょっと奇人じみた雰囲気も醸し出していた。
最後の曲ではマイクを使わず声もギターも生音で演奏して、この時のギターがとても優しい音で。もしも、この人が誰かを殺したときに僕はこの人を殺人者として正しく憎むことが出来るんだろうかと思った。でもあの人は優しいギターを弾いていたんだよって、親しい誰かにだけは、そっと打ち明けたくなるような。音だった。
3組目、東京からの「夜の夢」さんは良いバンドだった。それ以外に言うことがないくらいに。
ギターボーカルの男のひとと、ドラムボーカルの女のひとの2人。変拍子を繰り返すトラウマチックな曲もあれば、特に奇をてらったような所のない名曲もあって、そういった名曲を普通に演奏して素敵だというのは、単純に良いバンドなのだと思う。
MCなどでは2人の人間としての魅力も見えるし、今日1番「誰にでもオススメできるバンド」だったかもしれない。
4組目、大阪からの「おふね」さん。これは変態。
技術や独創性にユーモアもそなえた、ずいぶんキャッチーな変態ではあるけれど、まがいなき変態だからDinner Set福ちゃんに紹介したいと思った。賽ノ目でライブするのが良いと思う。
5組目、鈴木実貴子ズ。
出番がトリで、他バンドの機材が片付いて物が少なくなったステージの上手側(向かって右)にドラムいさみさん。下手側(左)にギターみっこさん。そうやって2人が居るだけでも格好良かった。なんだこれはと思った。
何もない部屋で2人が演奏してるだけのPVを撮ったらいいじゃないのかと思った。
音としては、1曲目の「脳みそ」ていう曲が歌詞が少なかったのも影響したのか「音楽だなー、バンドだなー」ていう印象で、弾き語りとは明確に違う感覚がした。
その他の曲も、2人で演奏することで輝くアレンジだった。「全部を許せるように〜」ていう曲は弾き語りでもよさそうだけど、最後にエフェクター踏んだギターの音色が最高で、おおっ!て言ってしまった。バンドだった。うれしかった。
今夜は想うところが多かった
この2ヶ月くらい私的なバンドブームが来ていたのかも
もともとバンド大好きだけれど、とくに最近、名古屋の色々なシーンのバンド情報を漁るなかで、見たいライブは無限にあって。
1月に見逃した12本分くらいを勝手に今夜にかけていたから。
別な会場では別な感情があった
クライマックスは転換BGMとして流れていたNICE VIEWだったのかもしれなくて
ライブがDJに負けるというのは、実はよくあることだけれど
PAさんが流している転換BGMに負けちゃうのは悔しいことだと思う
あのバンドの、あの素敵な唄をうたうあの人は、今頃悔しいだろうか
もっともっと悔しがっていってほしいし、絶対に続けてもらいたい
まだ始まっていないだけで、始まってしまえば無敵なんだよ
完全に始まってるひとたちの、始まる前をこれまでに見てきた
1年で始まるひともいたし、10年で始まったひともいた
僕自身が始まっているかは自分ではわからないけれど
始まっていると言うひとが居れば誇りに思うし
始まっていないと言うひとのおかげで目指せる気持ちだ
僕が泣きたくなったのは「バンドは1人では出来ないんだな」という気持ちになってしまったからで
1人なら1人でもバンドは出来るんだけど
メンバーが居る以上は1人では出来ないってことで
ズーステでは逆に「2人でバンドは出来る」というのを魅せつけられてしまって
ほんとうにほんとうに、ハシゴして良かった。
2/16 影踏み遊び4.9@賽ノ目
2/24 レモンとファイヤ@ブラジルコーヒー

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