11/7
Dinner Setのレコ発@鶴舞KDハポン
素晴らしい夜だった。
ライブが良かったということ以外に、愛が溢れていたから、という原因が考えられる。
ワンマンと銘打ちながら「なかまたち」総勢16名ほどがサポートメンバーとして登場。みんな相思相愛なんだし、お客さんもDinner Setが好きな人しか居ないから、そりゃあ愛が溢れちゃう。
福沢くんのカクテルドラムさばきは、ライブスタートから3曲目くらいでスイッチが入った感じで、時々狂人じみた様子になるところが好き。万作(拓郎)さんギターも狂っているから、この組合せはヤバい。
マサキングさんのベース、GRANCHミヤケさんのコントラバス、きりちゃんギター、鳴る体河合くんピアノ、他にも聖さんや、the sing2you、モノポリーズの人とか。
みんな素敵で。ノビさん福ちゃんだけの編成が僕は好きだったけれど、何人編成になったって主役の2人は埋もれない。
音源(mona recordsから全国リリースとなった2nd「アイサツ」)も見事な仕上がりで、1枚全体が作品と言えるコンセプトアルバム。
ノビさんのギターと唄、充分に弾き語りで成立してしまう曲の良さを、全体では「挨拶」をテーマに1つの家庭から世界中の愛を想わせるような構成でまとめてあり、それを福沢幸久の個性的なパーカッションと贅沢なゲストミュージシャン陣が支えている。
CDならではの悦びとして、福ちゃんのシャラーンてやつ(名前わかんない)に魔法がかかっている。きらっきらっ。
録音はゲルスタジオで、仕上げはMorning Set NORIさん。これは名古屋ロック新たな1つの金字塔だ。
11/10
cruyff in the bedroomレコ発@池下UP SET
クライフのレコ発というより僕は
モモジさんが名古屋2大ドラマー!と評したという伝説の人物、ゴンザレスさん率いるdaphne.ライブを観に行った。
daphne って、読み方わからないような予感しながら池下に着いてしまい、すいすいUP SETの受付に着いてしまい、いよいよやっぱり読み方わからないと思いながら「デファーンで予約してる鈴木です」て言ってみたら「はいはーい」って理解してもらえたから、ふふーん読めたもんね何語か知らんけどdaphne.読めたもんね。と安心していたらdaphne.ライブのとき本人たちが「どうも、ダフネです」とか言っていて、それはdaphne.の読み方がダフネだということに違いないから
、すなわちデファーンなわけないのだから、今夜は早く眠ろう、と思った。
daphne.(ダフネと読むんだよ)は轟音ファンタジックなギター、最小限の演奏をするベース、そして伝説のゴンザレスによるインストトリオで、
楽しみにしていたゴンザレスさんドラムは、1曲目での静かに高揚していく感じに凄みを感じたし、2曲目で演奏の9割くらいシンバル1枚しか使わない感じに凄みを感じたし、最後の曲では冷酷なまでに4つ刻まれるキックと終盤の展開にドキドキした。
それでも、名古屋2大ドラマーと讃えられる理由までは分からなかったし、分からない僕には讃えることもディスることも出来ない。
何かありそうな気配くらい感じることは出来たが、それは初めから伝説と思って観に来ているからかもしれなく、たとえば僕がただのクライフファンで来ただけの人だったら最後のMCしか印象に残らないかもしれない。
「全ての演奏を終えてメンバーも楽屋に帰ってからステージに1人取り残されて始まるMCゴンザレスによるメンバー紹介(鍋焼きうどんの鍋が熱かったとか言うだけで最後までメンバー紹介しない)」は素晴らしかった。適度に対バンを持ち上げつつ場を暖め、適量の笑いを(しかも計算尽く)取っていた。たとえば僕がただのクライフファンで来ただけでも「早くひっこめよ」とは思わないはずだ。
それでもゴトーさん(The Welks)が終演後に「最後のMCいらないと思う」とゴンザレスさんに言っていたのは愛だった。年に3回くらいしかライブしないdaphne.だけれど前よりグンと良くなっているらしく、それを分かるためには僕もまた観に来たいと思う。
で、今夜の主役 cruyff in the bedroom
とっても良かった。ライブが始まる前、最前列に居たら、ステージ床にエフェクターが50個近く(ボードにして5箱)並んでいて「こ、これがシューゲイザーの本気か…」と打ち震えた。
でも始まってみると、ボーカルの人はストレートにフロントマン然とした立ち振舞いで、ギターの人はキチガイみたいに真っ当なギタリストで、リズム隊も格好良く、ジャンルがどうとか関係なくロックなライブバンドだなという印象。
中盤でいよいよシューゲイザー魂に火が着いて、ドラムが遠くに感じるほどの轟音ギターがサウンドウォールとして立ちはだかった際にはちょっと意味分からなかったけど、シューゲイザー通にはクライマックスだったのかもしれない。少なくとも僕には「ギターの音に拘ったロックバンド」として最高だった。
細かい点を言うならば、セッティング中にメンバーが黒ずくめの格好だったけれど一旦ハケてSEで登場した時にはライブ用衣装になっていて、デリカシーあるなあと思って、その時点で少し好きだった、
ステージに立ち、スモークがかった白いバックライトを浴びて、メンバーのシルエットが浮かび上がる。バンドをやっているんだなーと思わずに居られない。
たったこれだけのことで、夢は叶ってしまっている。どんなに小さなライブハウスでも、ステージに立てばロックスターになれるはずだと思う。だけど、本当にロックスターとしての責任を果たせるバンドがどれだけいるんだろうか。
この日の主役はクライフで、他のバンドは持ち時間20分ずつだった。
レコ発の主役を立てて控えめに、という考え方と、20分でも主役を喰う勢いでやったろう、という考えがあって、どちらもリスペクトだろうけれど僕は後者の方が好きだ。この日それくらいの勢いを感じたのは「死んだ僕の彼女」で、どれだけ本気を出してもクライフは越えてくるはずだという信頼があるかもしれない。実際クライフは越えてくるし、逆に「死んだ僕の彼女」のレコ発にクライフが出れば本気のライブをして「死んだ僕の彼女」は更に越えていくんだろう。そういう幸福な戦争みたいな現場がライブハウスにはあるのだと。信じていたい。これは妄想でしかない話だけれど。
座ったまま微動だにせず、ほぼコーラス以外何もしない女性(たまに片手で鍵盤を弾く)が存在感あった。あの女性こそが「死んだ僕の彼女」なのだろうか。みんなにも見えていたのだろうか。足は、あった。

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