夜、おそいもの。
あした、朝から仕事だもの。
べつに偉くなりたいわけでは、ないもの。
日記を書いちゃおう。雑に。
今夜ていうか日付は昨日だがしかし、DAYTRIVEに行きました。
スタッフのひとに聞いたけれど、もう出来て2年も経つのですね。
DAYTRIVE。やっと、はじめて行った!いい感じのハコだと思った。
作りがライブハウスとクラブの間くらいの雰囲気を意識しているのかも。
今日の場合、ていうか、いつもなのかもけど、基本リハをしないってのは
難点だなー。と思った。かといって、PAさんが手を抜くわけではなく
機材も悪くないのだと思う。くわしくねえけど。メインスピーカーが珍しい
メーカーのやつな気がして、珍しいデザインに思えた。くわしくねえけど。
ででして、お目当ては、うわむき葉っぱで
それ以外は知らないバンドだったのですが。葉っぱに関しては、
最高ではないにしても、今日やるライブとしては良い内容だった気がする。
なんだってぼくは踊りまくったので、それで良かった。それでもやっぱり
こんなもんじゃねえだろうな、とは思った。もっと行けるバンドでしょう
うわむき葉っぱって! 新しいベースのひとも良かった。前のひとと、
タイプ違うけれど、ロックな感じでかっこうよかった。
そしーて「ねこ」っていうバンドが良かった。ボーカルのひとの
人間の魅力だなー、って思った。演奏がしっかりしているんだけれど
人間の魅力だなー、って思う。なにより。で、たぶん外国ず っていう
バンドのひとが飛び入りっぽくゲストボーカルで1曲歌ったのだけれど
ときおり即興ぽくもある、その歌が、とてもポエジー、詩情に溢れていて
しびれた。人種としての、ほんとうの詩人がそこにいた。
28日のあいまい企画では、ソロアクトとしての気概といいますか
舞台に立つ意識みたいなものを考え直すマインドになったけれど、
この日の全体を見ていて、バンドイベントだったし、バンドでやれること
っていうのを思い直していた。コトナ、ALis。せっかく、今ぼくは
バンドがやれているから、思いっきりやりたいな。やらないとな。
って思う。演奏を、信頼して任せられるメンバーとやれているのだから
しあわせなことだ。ひとりでは届かないところまで飛びたいよ。
それで、対バンのあるバンドの悪口を書きたいのだけれど
バンド名を出して悪口を書くなんて、どうだろう。。って思うし
バンド名を出すことで逆に宣伝効果になっちゃうのも本意じゃないな
って思っていたら、イベント終了後に、そのバンドのひとに、なぜだか
話しかけられて(ぼくが踊りまくっていたからだった)そのひとったら
ナイスガイっていうのかナイスアホっていうのか、好き!って思ったから
あえてバンド名を出して、悪口を書くこととしてみたい。
鈍感少年隊っていうバンドがさいあくだった。
すばらしく、さいあくだった。順を追って、振り返ってみたい。
まだ転換のBGMが流れているなか、ひとりの顔面白塗り男がふいに
ステージにあがり弾き語りを始める。あわててBGMがフェイドアウトし
男は気にせず歌い続ける、気持ち悪い感じで。1曲唄い終えると、
他のメンバーが楽屋から出てくる。
最後までリュックを背負ったままの男(ドラム担当)と、
お揃いの赤いスカートの女の子2人、そのうち1人がミニキーボード担当で
もう1人がベース担当(最後までいっかいもベースを弾かない)。
この時点で僕は、これはバンドというか、、演劇的な展開を見せるのでは
とか、淡い期待も抱いていたかったけれど、すでにそれはゆっくりと
確実に窒息していくようにして、裏切られていった。
とくに、女の子2人は、身体が舞台に立つ身体になっていなかった。
ダラッと立っていた。それが、あえての演出ならば成り立つ可能性も
あるけど。その意識の低さが、たぶんいちばんの問題なのだと思う。
演奏技術のことを、よく言われるだろうけど、このバンドの場合は、
演奏の問題じゃないように思う。演出を固めて確信犯でなくては。
「チョコの歌!」と叫んで白塗り男が乱雑にギターを掻き鳴らす
ドラムが冷静にビートを刻む、女の子2人は基本楽器を演奏せず
脱力系というか、へたでもなくうまくもない歌声で唄っている。
3コードでパンク調な曲調。終わり方はラモーンズのHi Ho Let's Go!
の節でギブ ミー チョコレート! 続けて、「アンジェラアキのカバー!」
って言って、どう聴いてもアンジェラアキではないっぽい曲をやった。
そんで、「チョコの歌!」って言って、最初の曲をもういっかいやって
「アンジェラアキの手紙15の君へ!」って、今度は曲名まで発表したのに
どう聴いても手紙15の君へではないにちがいない曲をやった。
もう僕は音楽としての演奏的なことはとっくに諦めていたけれど
ひょっとしてこの無限ループの先には光があるのかしら。と思いかけた
その矢先に、次は、チョコの歌じゃない曲を、やっちゃった。むう。
オリジナルの曲っぽいのと、ユーミンのカバー、っていうかいよいよ
誰も演奏せず、カラオケで歌っていた。(厳密にはカラオケじゃなく、
ミニキーボードの中の自動演奏機能)このユーミンカバーの中盤で
白塗り男が「ダーンス!」かなんか叫んだら、ベースの子(いっかいも
ベースを弾かない)が、ぴょんぴょん跳ねながら1回転ターンして
かわいかった。ぼくのなかでなにかが急速に回復していくように感じた
あの女の子は、この日の唯一の仕事をしたのだ。と思った。
女の子がかわいければ演奏なんかどうでもいいのは有名な話だけれど
けっきょく鈍感少年隊が最悪なのはベースの子(いっかいも弾かない)が
必殺・ぴょん跳ねターンを、けっきょく1度しか披露しない点にある。
たとえば5回くらい、ぴょん跳ねターンをくりだしていれば、ぼくなんか
「にっこり!」満ち足りたことだろう。たとえば。それくらいのことで、
エンターテイメントは成立してしまうのに。
チョコの歌は、最終的には合計3度演奏されたが、ベストテイクは2度目で
それというのも女の子2人が元気だったからだ。主にキーボード担当の子
(めったに弾かない)が、楽しげにゆれていたから、だった。
白塗り男いわく「メロディや歌詞を届けたかった」ために、3度も
やりなおして、3度目なんてエレキギターやめて、アコギで控えめに弾いた
のに、やっぱり鈍感少年隊が最悪なのは、女の子たちが演奏の雰囲気に
悪い意味で合わせてしまって、やっぱり歌声まで控えめになっていた点だ。
結果、メロディーや歌詞は1個も届いてこなかった。
表情のない仏像たちだけが、音の振動の替わりにスピーカーから零れていた
仏像たちはスピーカーからぽろぽろと落下しては、すぐ真下で粉々に砕けた
「無慈悲」とは、このことだった。なむー。
あとは、今日このあと出てくるバンドに憧れてバンドを始めました。って
言って(すごい正統派なガールズポップ)そのバンド名をタイトルにした
曲をやって、最後にチョコ(これが3度目)の歌をやった。
持ち時間を大幅にオーバーして、まだ「どうしよう…」とか言っていたら
主催のひとが現れて「終わりましょう!」って言ってくれて終わった。
イベント終わりで、話しかけてきた白塗り男は、きさくで素敵なひとだった
ぼくは「正直、ひどかったですねえ!」とは言ったけれど、意外な事実も
知ることができた。悪意はなかったのだ。ぼくは悪意かと思っていた。
ぜんぶ、あえて不快なことをしているのかと思ったら
ぜんぶ、うまくいかなくてああなっちゃった。って。。
白塗りしたら手が汚れて指がくっついちゃってギター弾きづらかった
とか。ベースの子は本当は弾くはずなのに弾いてくれなかった、とか。
メロディや歌詞を大切にしていて、チョコを何回もやったのは
ボーカルが聴こえてない気がしたから、やりなおしたかった、とか。。
ぜんぶ、天然かい! 純粋なる、失敗かい! よけいに、あかんがな!
あんぐらがやりたかったわけではないのね。。まさかの。
ゆえに笑えるわけでもなく、かっこいいわけでもなく、ただただ
純粋に、ひどいだけのライブが立ちあらわれるのだった。
かえりしな、今日のチラシをよく読んでみた。
鈍感少年隊の紹介文として、こんなことが書かれてある。
「メンバーの女はヤリマンです。よろしくお願いします。」
バンドライブのクライマックスといえば、最後の演奏曲か、その1曲前
くらい、というのが定石だろうけど、鈍感少年隊の場合はチラシだ。
すごい。あらゆる意味で、ドイヒー。さいあくなバンドだった。気になる。
好きじゃない!て言いたいけど、気になるのは確かかな。。くそー。
ひとは、出会うべきだと思う。ライブを見ただけの段階では、ぼくは
まだ白塗り男に出会ってなかったのだと思う。話しかけられて初めて
出会うことができた。そしたら愛しく思うことさえ、可能だ。
「忍者は、なぜSMAPになれなかったのですかー?」という質問を
白塗り男は行きかう人々に投げ続けた。だいたいのひとは無視した。
忍者というのは1990年頃にジャニーズに所属していたアイドルだ。
たぶん、80回くらい、その質問をしていた。酔っているのだ。酒か
あるいは、もっとたちのわるい、なにかに。
ぼくは「魅力が、足りなかったんじゃないですか。」と応えた。
彼らの物販コーナーには、中古屋で105円で買ってきたという
忍者のCDアルバム(値札付いたまま)だけが、
あった。
次回、日記予告
「お子たちエピソード」
次々回、日記予告
「帰りの車で、志磨のラジオ聴いたから
毛マリのことを、また書いてみたい」の巻

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