海外アーティストのプロデュースなら、旅はつきもの。海外の旅ならではの事故はあるんです。当方の場合はアーランダ空港からストックホルム中央駅へのエアポートバスで事件は起こった。2つあった旅行用ケースの内の1つが終点の中央駅で降りようとしたら「ナイ!」。犯人はきっとあの二人組のアラブ人か?
バスの車掌は「そんなはずない。後ろを見て来い」と言う。大きなエアポート・バスの後部には荷物をまとめて置くスペースがあり、そこに荷物を置いて、それぞれが降りる際に自分の荷物をピックアップして、後ろの降り口から出られる。もし自分の荷物を他人が持って降りたとしても、降りるヒトすべてを看視するのは不可能。つまりワルイ人の少ないスウェーデンでは、まず荷物を取られることはないという観念がある。
めがねをかけた小柄な典型的日本人の私は、どろぼう君にとっては、格好の獲物であったようだ。
バスの車掌の指示でターミナルの事務所に遺失物届けを出す。「まちがってヒトの荷物を持っていったヒトがいればここに届けるはずですから、ホテルの連絡先を教えてください。」、「警察署が鉄道の中央駅(T-CENTRALEN)にあるけど、今は閉まってるはず」とも言われる。
ホテルに到着したのは夜で、翌日は朝からレコーディングが始まる。嵐のような2日間が終わり、一段落した後、ターミナル事務所に行くが、やはり荷物はない。その足で中央駅の警察署に向う。担当の警察官は私の顔を見るなり「心配するな。ガードするよ。」????なんと日本語で話しかけてきた。彼の笑顔は私をその時点でホッとさせてくれた。
彼はいくつか質問をした後に”POLICE REPORT”と呼ばれる事故証明書を作成してくれた。
日本にもどり1ヵ月後にソフトバンクから”予想外”の請求書が舞い込んだ。”国際ローミング(音声)6万円也”。
ソフトバンクも、旅行保険会社の損保ジャパンもこの被害額には何の助け船を出す気配は見せなかった。盗まれたヒトが悪い、ということで、”見て見ぬ振り”状態。
今後は海外に携帯を持ち出すことは、私の場合ありえない。
ついでながらストックホルムのホテルから日本への連絡のための電話代は3万円也。ここで損保ジャパンの場合のみ、東京もロンドンも必ずコール・バックをしてくれた。ソフトバンクが電話会社なら同じようにコール・バックをする配慮が必要ではないだろうか。
「心配するな。ガードするよ。」というスウェーデンの警官を見習ってください。
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