レコード会社では月に一度「編成会議」と呼ばれる会議が開かれています。毎月発売される新譜の内容を決めるリリース決定会議といった性格のものです。
A&Rと呼ばれる各リリース作品の担当者は、この会議で自分が発売を計画している楽曲なりアーティストなりをプレゼンします。プレゼンをする相手は社内の宣伝、販売、管理関係者です。
ジーコ監督が日本人は上から与えられた役割をしっかりとこなすことは得意だが、サッカーでは各選手が自由な発想で自らの判断でプレイすることも求められる、という趣旨のお言葉をされています。
編成会議のプレゼンでA&Rが「上」から与えられ、命じられた作品だけを紹介しているような会社は見込みがないと思われます。
A&Rは毎月何十、何百にも及ぶ候補作品、候補アーティストから「発売」するに足る素材を発掘し、紹介するのが仕事です。”紹介するに足る”というのは、A&Rみずからがマーケティングして”売れる見込みが立つ”商品を紹介するということです。”売れる見込みが立つ商品”というプレゼンをするためには、自分が信頼できる@業界誌、A音楽評論家、ライターBラジオ/TV番組制作会社、選曲家、ディスク・ジョッキー、C音楽誌、Dレコード店店員からの意見を聞く必要があります。
その商品のプロモーションの観点を踏まえてプレゼンすること、これが肝心です。それには自分の”都合”だけでなく、それぞれのブレインや関係者の”都合”を勘案していくことによってみんなに一番”都合のよい”商品企画としてのプレゼンが最高です。

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