週刊現代4月8日号で朝日新聞TVCM用の音楽で盗作騒ぎがあるという記事が掲載されている。ストーンズのヒット曲「ラスト・タイム」の盗作とされているTHE VERVEの「ビター・スゥイート・シンフォニー」がCM曲に酷似しているという、ちょっと込み入った話だ。「ビター・スィート・シンフォニー」はAMAZONのサイトで試聴できるので、自分もPCのストリーミングで聴いてみたが、確かにCM曲にソックリ。
「盗作」には2つの要因があります。
1.音源そのもの、またはその1部分をコピーして別の曲として使用する。(原盤権の不正使用)
2.メロディーをそのまま使用し、楽曲を別の曲と偽って盗作する。(音楽著作権の不正使用)
プロのCM音源制作者が他人が制作した音源をコピーする確率は0%だから今回の問題は音楽著作権の問題で、実際にクレームを入れることができるのは作家から日本での楽曲の使用料徴収を依頼されている立場であるサブ・パブリッシャー、具体的にはフジパシフィック音楽出版ということになる。
CM製作会社がクライアントの希望を受けて、一度ヒットした曲をCMで使用しようすると、音源の録音使用料で概ね100万円以上、楽曲の録音使用料で100万円以上の使用料がかかる。さらにCMの使用方法によって演奏権使用料が発生する。だったら書き下ろしの曲で、新音源を作る方が安く上がる。
それでは新曲を書き下ろしてもらった方がいい、ということになって、CM音源制作者に制作依頼が入る。制作者(作家)はCMのコンセプトに合わせて、15秒や30秒のメロディで今まであったヒット曲に類似しない楽曲を作曲するということになる。これは意外と至難の技ということになるのかもしれない。少なくとも簡単な技とはいえそうもない。CMの音源制作は、まさにクリエティビティが必要とされる世界なんですね。

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