一人旅をするといつも思いがけない素敵な出会いがある。
今回も全てのプログラムが終わって日本へ帰るという日、ヨエンス−空港でのことだった。
その人は空港の待合室でずっと本を読みふけっていた。声をかけたかったけれどグッと我慢をして飛行機に乗り込んだ。この飛行機はプロペラ機で小さかったので、通路も一つ。私は先に席に着いた。彼女が通りかかった。私は「Are you Japaneese?」と思いきって訊ねてみた。そしたら「はい」と日本語が返ってきた。とても嬉しかった。彼女は私の隣の席に座ってくれた。
彼女はヨエンス−大学の「フィンランド森林研究所」に所属しているとのこと。ヨエンス−でのご自分の生活のことやご家族のことなど私達はとりとめもなくおしゃべりをし、1時間半の飛行時間はあっという間に過ぎた。
ヨエンス−大学では今、日本語に興味を持つ人が多く、授業数も今年になってから一挙に増えたという。そして教官の方は日本語の良いテキストがなくて困っていることなどもお話をしてくださった。

(ヨエンス−の公園で。短い夏を惜しむかのように人々は夏祭りを楽しんでいた)

(ヨエンス−市内の公園、右はヨエンス−空港待合室)
また、ヴァンタ−空港では彼女にとてもお世話になった。
いつもキャンプが終わって日本に帰る時は、疲労がかなり蓄積されているのを感じる。それで今回はフィンエア−のマイレ−ジもかなり貯まっていたのでビジネスクラスに変更することにした。その手続きを彼女はとても親切にしてくださったのである。本当に嬉しかった。
「カンテレ武者修行体験記W」の最後の締めくくりにこんな素敵な出会いがあったことを書くことができてとても幸せに感じる。
彼女は今、日本の大学で更に研究を続けているが今年の9月にはまたヨエンス−に戻るという。
来年のこのイロマンツイでのカンテレキャンプの時には彼女はヨエンス−に滞在しているとのこと。
来年またヨエンス−でお会いしましょうと私達は約束をした。

0