第186回国会 厚生労働委員会議事録
桝屋議員の「鍼灸師を機能訓練指導員に」との発言です。改めて読むと泣かされます・・
○桝屋委員 それでは、次のテーマに移りたいと思います。
お見かけをしますと、原局長と原局長がお座りでございまして、お二人には余り言ってほしくないテーマかもしれませんが、介護現場における人材の活用ということで議論をさせていただきたいと思います。
二月十七日の予算委員会におきまして、私は、医療、介護、福祉の人材確保について議論をさせていただきました。その際、今後、介護人材は、百万人ぐらい足らない、養成しなきゃいかぬという田村厚生労働大臣のお話等を受けながら、それでは、せっかくマッサージ師までは何とかなっているのでありますが、鍼灸師の活用について、介護保険上の評価、いわゆる機能訓練指導員という位置づけについて御検討されたらいかがでしょうか、こういう御提案を行いました。
大臣はその際、鍼灸師の介護予防の現場における取り組みの事例もあるというふうに理解をお示しになりまして、鍼灸師の持っておられる専門性を勘案して議論したいとおっしゃっていただいたわけであります。
二月十七日でありますから、議論がどれぐらい進んだか。おまえ、そんなに早く聞くなというお顔をされておられますが、議論の動向を伺いたいと思います。
○原(勝)政府参考人 お答え申し上げます。
地域包括ケアシステムを構築していく上で、医療、介護の専門職の方々の役割は大変重要だと思っております。
先日の予算委員会の場で大臣の方からも御答弁がございましたけれども、介護予防における鍼灸師の方の役割についてということで、あのときは川崎市の事例もちょっとお話しになったようでございます。
私どもとしても、この介護予防の推進に当たっては、高齢者が地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような地域づくりが非常に重要であると。
このような基本的な考え方から、厚生労働省におきましては、現在、住民に身近な市町村が中心となって、地域の実情に応じた効果的、効率的な介護予防の取り組みを推進できるように、先行的に取り組んでいる自治体の取り組みというものを全国から収集いたしまして、整理しているところでございます。
この中で、鍼灸師の方々が参画している取り組み事例についても、関係者の方々と意見交換をしながら、今後、具体的な取り組み内容について確認をしてまいりたいと。
ちょっとお叱りを受けるかもしれませんが、法案等いろいろ仕事もございまして、作業の進捗状況はまだはかばかしくございませんけれども、そういうことでこれから取り組んでまいりたいと思っておりますし、また鍼灸師の団体の方々からも、例えばこういう取り組みがあるんだ、あるいはこういう提案がしたいということであれば、私どもとしてもぜひお話を聞かせていただきたいと考えているところでございます。
○桝屋委員 きょうは、大臣がいらっしゃいません。副大臣とお話をしたいと思うんですよ。副大臣、このテーマは、実は歴代の副大臣の課題であります。
と申し上げますのは、土屋副大臣の前の前の前の副大臣ぐらいが実は議事録が残っていない場で要請をお受けになって、名前は言いませんけれども、これぐらい言いたいのでありますが、名前は出しません。民主党政権のときの副大臣でありますけれども、その団体の要望に対して、二十四年の二月ごろでありますけれども、それを機能訓練指導員へ位置づけることはそんなに難しいことではない、早速やろう、このように大変明確な回答をされた。
残念ながら議事録はないのでありますが、そのときに理由まで言われて、これは鍼灸師会の団体が強く要望している、それから医師会等も反対はないということで、しかも鍼灸師だけをこの機能訓練指導員の評価から外すという合理的理由はない、ここまでおっしゃって、それはやりましょうと。残念ながら、すぐ選挙になっちゃって、実現していないわけであります。
したがって、副大臣、我々、私はのけて、歴代副大臣のやはり大きな課題だと思っておりまして、ぜひ御検討いただきたい。
もう少ししゃべりますと、厚生労働省は、事務方は、この問題については、必ず医療保険制度のリハビリテーション料、診療報酬上のこの体系のロジックからどうしても抜け出ずに、そこから引っ張ってきて議論をなさるから、なかなかいい結論にならないわけであります。
原局長にもう一つ伺ってみたいんですが、通告しておりませんが、鍼灸師だけの資格を持っている方というのはどのぐらいいらっしゃるんでしょうかね。
というのは、なかったらないでいいんですが、背景は、介護の人材が必要だ、これから二〇二五年に向けて百万人確保しなきゃいかぬというときに、柔道整復師も鍼灸師も、養成施設については、実は厚生労働省はコントロールしたかったけれども、これは規制をかけてはいけませんと裁判まであって、それで鍼灸師の養成施設がばんばんできた、こういう経緯がありまして、そういう方々は、マッサージ師と同じように勉強なさって社会に出られる、医療や介護の現場に出ていかれるわけであります。こうした方々を活用しないということはないでしょうというのが私の思いであります。
そこで、両方の資格、マッサージ師の資格を持っていればいいんですが、鍼灸師だけの資格の方はどのぐらいの塊でいらっしゃるのか、もし数字が今手元にあれば。ないということは、一体どういう議論をしているんだ、こう言いたくなるのでありますが、あれば。なければ、ないと言ってください。
○原(徳)政府参考人 残念ながら、手元にちょっと持っておりません。
○桝屋委員 だから、原局長と原局長が並ぶと、私はごまかされるような気がしてならぬわけであります。
議論をする以上は、そうしたデータをぜひともそろえながら、確かに現場でどういう機能を果たしているか。
私も、実は現場へ行ってきました。昨年でありますが、東京・三鷹市で実際にデイサービスをやられている現場に行きまして、数人の鍼灸師が活躍している現場を見てまいりました。大変に喜んでおられる。原局長、そこは介護予防だけではありません。介護予防という点にだけ着目して議論していただきたくない、私はこういう思いでありまして、医療保険とは別に介護保険制度の中で、予防だけでなくて介護の分野でも、デイサービス等では役割を果たしているという事例を私は見てまいりました。
ぜひ、そうした視点で、余り方向を決めずに、医療保険制度と介護保険制度は一体になってやっていかなきゃいかぬわけでありますが、介護は介護での特徴があると思っておりまして、そうした視点で前向きに検討いただきたいなと。
土屋副大臣、ぜひ、私がそう叫んでいたというふうに後で大臣に報告していただきますように。副大臣のお気持ちを聞きたいと思います。
○土屋副大臣 桝屋先生、代々の送られた大変な大きな課題であるということをお聞きしまして、私も大変重く受けとめております。
鍼灸師の方たちは、私も地元で日ごろ大変おつき合いさせていただいておりまして、地域でいろいろな形で活躍されていると思います。
まずは、やはり機能訓練指導員の資格ということになりますとなかなか、資格要件に当てはまるのかということの議論になってしまいます。今おっしゃったように、地域においてはいろいろ活躍をされている。今後、地域包括ケアという中では、いろいろな方に御協力いただかなきゃならない中で、私は、やはり鍼灸師の方たちが積み上げていただくことは重要であろうと考えています。特に、市町村との連携がどれだけできていけるのか。その積み上げによって、やはり実績が目に見える形でつくれるのかということなんだろうと思っております。
今後、私も、地元に帰りまして鍼灸師の方たちともいろいろお話をさせていただきながら、応援をしていきたいと思います。また、地元の市町村に対しましても、この課題を市長さんともお話をさせていただきたいと考えております。
○桝屋委員 ぜひ、そうした作業を続けていただきたいな、きょうの議論をまた大臣にもお伝えを願いたいと。
ただ、先ほど申し上げた、歴代副大臣のキャッチングした課題の一つである。そのときは、いや、できる、鍼灸師だけを外す合理的理由がないというところまでお答えをされたわけでありまして、多くの団体の皆さんが多くの期待をされたということもあるわけであります。ついでに言いますと、この要望はそのときの大臣のところにも届いているようであります。
しつこいようでありますが、今の副大臣の御答弁を聞きますと、しっかり事務方の指導が入っているな、こう思っておりまして、もちろん、介護予防あるいは今後の介護保険の展開の中でこの方々に活躍していただきたい、その検討はそれで結構ですが、さっき言いましたように、機能訓練指導員という介護保険上の評価で鍼灸師を外しているというその理屈はなかなか一般的には理解されないんではないか、私はそう思っている次第でありまして、ぜひ御検討いただきたいと思います。

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