現在、160万人以上の高齢者が5万ヶ所のデイサービスを利用しています。デイサービスに使われる年間介護費用は1兆数千億円です。要介護1,2が大きく占めます。衰退していく柔道整復師業界を救うのは、総合事業しかありません。介護保険事業ではなく総合事業です。総合事業の通所型サービスが要介護1,2まで拡張したら、年間1兆円近い市場が新たにできます。介護業界には厳しい状況ですが、柔整業界にとってまたとないチャンスです。
021年の第8期介護保険事業計画策定に向けて、社団法人日本柔道整復師会は、接骨院に併設緩和型デイサービスを作りやすいように、今、政治家や社会保障審議会に訴えかける必要があります。例えば、社会保障審議会介護保険部会で「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」が開かれています。看護師や理学療法士団体は意見や資料提出がありますが、日本柔道整復師会は蚊帳の外です。総合事業に接骨院を併設する際に書類の緩和をさせるには、この委員会に意見を述べる必要があります。そこら編がこの業界役員は鈍いというか、勉強不足です。
厚労省は、総合事業のサービス価格・対象者のルール弾力化を提案しています。全国の市町村がそれぞれ介護予防などを展開している総合事業について、より柔軟な運用を認めていくことために、現場の関係者が個々の実情に応じて創意工夫を発揮できる環境を整えることが狙いです。現行では国がサービス価格の上限額を決めているが、一定の制約の中でそれを上回る価格設定も可能となります。対象者に関する規制も緩和し、要介護認定を受けても希望すれば総合事業のサービスを継続して受けられるようなります。次の介護保険制度改正をめぐる協議を重ねている社会保障審議会・介護保険部会の会合で、要介護1、2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す案について、委員から慎重論が相次いでいます。おそらく、第8期の3年間で全国一律に移行するのだと推測します。

1