久々にオーディオのこと。
クリプトンのKX-3というスピーカーをだいぶ以前に中古で手に入れていた。これは、ビクターのSX-3を設計した人が作ったということで注目していた物。もともとオーディオにはまった学生時代は、密閉型のスピーカーからだった。
スタジオがらみでオーディオ環境を整えていたら、居室は忘れ去られてしまった。そこで、この度KX-3を寝室で鳴らそうということになった。
KX-3は、17cmうーはーとソフトドーム・ツイーターの密閉型ということで、高音がよく鳴り、明瞭だがひかえめな低音が特徴だと思われる。今回苦労したのは、手持ちのアンプとの組み合わせだ。なにしろ安易に安物買いに走るものだから、エントリークラスのアンプばかり転がっている
。 まずは、D社PMA-390RE
高音が耳につき、低音が全く出ない。スタジオで4311Bを鳴らしている古い390も持ってきて繋いだが、結果はあまり変わらない。390の名誉のために、4311Bとのコンビはなかなか良好。
次にO社A-973
元気よく快活に鳴るが、やはり高音が強く低音が出ない。ちょっと、デジタルアンプが救世主になるかなんて思ってしまう。ちなみに、205シリーズミニコンポのアンプを繋いだが、これは、低音にやや量感が出た。どうも、ラウドネス・コントロールのようなイコライザーが効いているようだ。
引退していた王者L者
40年以上まえの木箱トランジスタアンプを繋いでみた。最初は、片チャンネルからノイズが出て、リレーが働いたりしたが、つけっぱなしにしていると快調。音の傾向は、老骨とはいえ、品のある高音で、低音も響きは良いが、やや物足りない。これなら、トーンコントロールで、バスをちょっと上げて楽しめそう。ところが、プリアンプの段階だろうが、左右差が出ていた。これがなければ、余生にもう一花咲かせてもらおうと思ったのに。
この時点で、奮発して上級機を買わないとならないかと思ってくる。
だめもとで、もう一代M社PM5004
スタジオ用に気まぐれに買って、実質100時間も鳴らしてなかった。そもそもD社とM社は、同じ親会社になってしまったとはいえ、音調は真逆。低音が出ないだろうと思い込んでいた。ところが、KX-3とPM5004のコンビは、相性抜群。他のアンプで耳についていた高音が押さえられて、低音が密閉型らしいタイトな音で量感がある。これなら、バスを上げたくならないで音を楽しめる。
いろいろやってみて、オーディオとは、難しいものだと痛感した。ほぼ1か月半ぐらい、試行錯誤を繰り返していたが、途中で、高額なアンプを買えば解決だろうという思いが湧き上がる。
今は、ネットでああだこうだと親切な人も含めて議論拍出だ。しかし、アンプとスピーカーは、単体で評価しても組み合わせでどうなるかはわからない。
まずは、KX-3は、アンプを選ぶスピーカーだということだ。おそらく、このスピーカーの元値を考えると安いアンプを組み合わせることはないと思って作っているかも知れないけれど。
おそらく、アンプの出力やダンピングファクターという値が関係しているのかも知れないが、私は専門家ではないので、この件について云々することはできない。賢明な人は、シスコンでそろえた方が間違いない。
コンポーネント・オーディオは、ブランドのイメージや、値段で軽々と決めつけることはできない。マッチングが良ければ、そこそこの音が出てくる。この先、微妙な音の良さに何倍の費用をかけるかが問題だろうが・・・。

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