高校野球の開会式の会場に向かう途中でバスの横転事故、非常に残念な事故であり、われわれもいろいろと考えさせられるところがある。
事故を起こした先生は、おそらく自分で大型免許を取って運転するくらいだから熱心ないい先生なのであろう。
私は大型免許を取っていないが、サッカーのクラブチーム、高校の部活などでも遠征に出かける際に先生やコーチがレンタカーのバスを運転して行くなんてことはよくある話。少しでも費用を減らしてご父兄の負担を減らし、選手に経験を積ませたいという気持からであろう。
事故を起こした時に、まして今回のように人の命が失われた時には普段一生懸命であるとか、先生だから、コーチだから、ボランティアだからといった言い訳は一切通用しない。私自身もボランティアだが、万が一の時の責任はすべて取らねばならないという覚悟はある。
ただ、一生懸命やっているがためにそういったリスクが高くなる、そのあたりは何とかならないものか?
クラブチームがリスクマネジメントを考えて法人化をするということも解決策の一つだが、行政なども含めていろいろ考えなければいけない問題であろう。
それにしても、高校野球はなぜあれほど特別扱いされるのか?
ほかのスポーツに携わっていると不思議である。
県予選の開会式に全チーム集まる、1回戦から写真入で大々的に新聞に掲載される、おそらく世界中でも非常に稀な例であろう。
人気があるからというより、特別扱いといった表現のほうがあっているような気がしてならない。
昔、海外から来た人が日本の高校野球を見て、
「宗教的理由でもあるのですか?」
と言ったという話を聞いたことがある。
熱心なことはいいこと、それをまわりで一生懸命支えることも素晴らしいと思う。
何十年も前から言われているのであろうが、そろそろ見直す時期ではないだろうか?
「甲子園に出ることが夢!」
いまだにそう語る高校生が多いようだが、もっと先をめざす能力のある選手だってたくさんいるはず。
選手のために応援するのではなく、自分のために応援する大人が多すぎる気がする。
高校スポーツは商売の道具や娯楽の対象ではないと思うのだが考えが固すぎるのか?
今回の事故の背景には、多くの問題がありそう。
夢半ばで亡くなった選手、このような犠牲者を出さないためにも一つづつ解決していかなければならないのであろう。
我々も他山の石として眺めていてはいけない。

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