「鑑識 米沢守の事件簿」が話題になっているみたいです。
テレビドラマ「相棒」の中の登場人物の一人にスポットを当てて映画化したもの、最近このパターン徐々にですが増えていますね!
アカデミー賞の「おくりびと」の納棺師という職業もそうですが、鑑識とか普段気にしていない、表に出ない職業が映画などで広く知れわたり、光が当たることは悪い事ではないと思います。
職業によってはあまりに細かく描写しすぎてはまずいのではないかと思われるものもありますが、いろいろな職種の人がいて世界は成り立っている事を多くの人が理解できるきっかけになるのではないでしょうか。
(ちなみに、医療関係のドラマや映画で、あまりにも緻密に、正確に描くことや、警察の捜査方法などをきちんと描きすぎるのはいかがなものでしょうか。末期がんの抗がん剤治療などは、あまりにきちんと描きすぎると、告知を受けていないがん患者の方が疑いを抱くきっかけになるのではと危惧する事もあります。)
サッカーの世界でもオシム前代表監督が「水を運ぶ人」といった表現をしていましたが、(これに関しては、和訳した人もナイスだと思います。水運搬人とか言った表現ではあまりに機械的な感じがして!)ゴールをきめてヒーローになる、ファインセーブをしてゴールを守る、そういったわかりやすい仕事以外にも光を与えるいいきっかけになったのではないでしょうか。
サッカーをプレーした事のない人、あまり良く判らないけど見る事は好きな人、話題の試合だけは気になる人など、いろんな人に、サッカーの結果はフィニッシュを決めた人だけのおかげではないという事を意識させくれたことばです。
ジュニアの指導をしていて、我々が気をつけて見なければならないところもそこにあります。単純にゴールをきめたからとかを評価するのではなく、きちんと水を運んでいたか、普段のトレーニングからそういったことを意識しているか、そういった部分をしっかり見て正しい評価をしなければなりません。
その上で、“ヒーローになりたい”といった気持ちも一緒に育んで行けたら、きっと日本を背負う選手が出てくるはず。
御父兄の皆さんも「今日、勝った?」ではなく、プレーの内容を深く掘り下げて聞く事ができたら、親子で一緒に大きな成長をする事ができるのではないでしょうか。
時には、「鑑識 米沢守」のように、誰もが気付かない部分をビデオなどに撮って発見する。御父兄の皆さんはコーチではないので自分のお子さんだけでもいいかもしれません。できれば他のお子さんの成長や、隠れたファインプレーをひそかに見つけ出す、そんな楽しみ方もしていただきたい気がします。
もし、「内山コーチは、気付いていないよね!」なんて事を見つけたら、ぜひ教えてください。そのときは内山コーチとしてではなく「杉下右京」として、その後の対応をしたいと思います。

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