
「じいじ 一緒に行こうよ」孫娘にカラオケに誘われてしまった。
幼稚園から開放され、ようやっと自由の身になり、久しぶりに豆台風が我が家に襲来、賑やかになった。
唯一、電話口から、まあいっちょ前に応対する手応えに随分口達者になったと思ったが、こうして目の前に現れると、改めて逞しく育ったことがよく分かる。
「じいじ なにやってんの」自室に椅子に座っていると、おやおや豆ギャングがやってきて、背中を向けて、膝の上にチョコンと乗って来る。
「うわあ〜重たいなあ」と思いつつ、その真綿のような天使様が未だ嫌われずに懐に飛び込み、相手してくれるのが、なによりも嬉しい。
「ちょっと、緊張しちゃうな〜」
なんていっちょう前の台詞をならべ、もう唄いたくて、しょうがないのかスキップしながら、手を引かれ、大好きな歌を唄いに無理やりに駆り出される。
映し出されるモニターからテンポの早い、歌が出てくる何処で覚えたのか、モニターの字幕に合わせ、乗り乗りで唄う。
その姿に笑ってしまうが、本人、お構いなしに、スター気取りで、ポーズしてしまう。
字幕の変化に時々、歌いまわしが怪しくなるが、最後はきちんと帳尻を合わす
我が家に返っても、乗り乗りは留まらず、ふりまで付けて、熱演する姿に、大爆笑
でも、本人真面目顔で乗りは留まらず、狂ったように、歌に踊りに埋没
久しぶりに腹を抱えて、大笑い、恐ろしいやら、逞しいやら


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