
ちょっと見通しのきく高台から住処の周辺を撮ってみる。
奥多摩・丹沢の山を背景に多摩平の森、緑地公園の緑、中央の赤い帯びはJR中央線が走っているのが見える。
「眺めが良い、緑が豊富、静か」そんな居心地の良さに、すっかり溶けこみ、居すわって、しまった。
何処其処も子供達は巣立ち、いち早く老人世界になてしまった。
そんな静かな住宅地に、サイレンを流しながら、救急車が一際、存在感を示す様に鳴り響き、だんだんと近づいて来る。
普段、余り車の出入りの少ない所であれば、このけたたましい音は止めて良かろうにと思うが、規則なのか、そのまま鳴らし続け、ピタリと止まったが、何と我が家の近くであった。
救急車が止まるや否や、救急隊員がテキパキと担架をセットし、呼び出しの家に飛び込む。
人命を預かるだけに、ともかく応急処置を行い、暫くしてから、点滴の管を繋いだ患者を担架に載せ、その場を走り去った。その間、数分間手慣れた手つきでの処置に流石プロだなあとおもった。
走りさった、車を見送りながら、ひたすら大事に至らなければと快方を祈るばかりであった。
時ならぬ、救急車の来訪に心配の余り、近所の方々が大勢集まった。
お子さまは巣立ち、一人でお住まいになり暮らしていたが、明け方容体が悪く成った様で、介護の方が来られてから、始めてその危急状態が判ったようであった。
まあ、それなりに年老いておられたが普段寝込む状態ではなく、色々活発に生活されてる方だけに、救急支援を頼む程の容体変化に驚くばかりであった。第三者に早く、見つけ出され処置が取れたのは不幸中の幸いでもあった。
当地に来て我が家もン十年の歳月を刻む、普段何気なく暮らしているが廻りには80台や、更に次の大台にますます元気で暮らしている方も居られる、超長寿世界なのである。
居心地の良さに、当地で長く暮らした結果、廻りを見渡したら、当人も気づかないうちに、高齢化はどんどん進んでいた。
思わぬ救急車の到来に高齢化世界の現実の姿が見え、考えさせられた。

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