
旅の話が続いてしまった。
沼津icから長岡温泉を通って、西伊豆スカイラインに出る。尾根伝いのきつい急カーブが続く。ガードレールの向こうは谷底、一歩間違えれば、谷底ダイブ息の抜けない運転ではあるが、一方ではダイナミックな連続操作は山岳ドライブの醍醐味でもある。
直線路からコーナーに入る時はブレーキングしてスピードを落とし、カーブの頂点を目標に進入し、頂点を過ぎた頃合いを見て、アクセルを強く踏み込み加速する。これの繰り返し操作である。
道幅の広い西伊豆スカイライン未だ良く、余裕を持って走れる。
この山岳ドライブは思いの外、同乗者にはきつかった。そんな中にあって、拝車には後部座席に米寿の義母、助手席にはかみさんが乗った。
時折、様子伺いに義母に「大丈夫か」と声をかけたが、意に返さず「大丈夫」の声にそのまま走り続けた。
スカイラインの戸田で小休止、しかし物凄い烈風が吹きまくり、休む所では無かった。遥か山間に戸田港とその先に繋がる駿河湾の素晴らしい眺望見えるが、吹かれる風に体が浮き上がり、とても落ち着いて見られる状態ではなかった。
当日、何とかそのまま、つづら折りを降りて、無事に土肥の温泉宿にたどり着け、早速入浴、思い切り足を延ばした。
翌日、宿を出て西海岸の県道17号を沼津に向かう。西海岸を走る県道17号は山あり、海岸線ぎりぎり、道幅も狭く、場所によっては両側合わせて1.5車線なんて所もあり、いい気になって走っていると、いきなり対向車なんてことも予想され、神経張りつめて、運転した。前日以上にカーブがきつかった。
途中で隣のかみさんが気分が悪くなり、顔面蒼白、戻しそうであったが、先行の車がスクランブルがあったようで、途中で止まった。出るまで元気であった、カッタンがどうやら、犠牲者になってしまったようだ。
始末をして再びキャラバン隊は発車、暫くは拝車の中も助手席は激闘が続いたが、薬も効いたのか落ち着き寝てしまった。
その間、東名の事故渋滞に巻き込まれ、延々の長時間乗車であったが義母は姿勢を崩さず、目は廻りの景色を追いながら、何事もなかったように平然と乗っていた。
筋金入りの強さは微塵にも揺るがない、まさに格好良く、長生き出来る姿があった。

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