
新婚さんが無事に元気な姿で帰ってきた。「何処え?」「メキシコ・カンクーン」
「アメリカ本土を襲ったハリケーンの直ぐ近くではないか?」地図上ではメキシコ湾上の地続きであるが、殆ど影響無く、好天の素晴らしい天気のようであった。
早速、湯気が立ちそうなテカテカの旅先の写真を見せて貰う。
素晴らしいエメラルドグリーンのカーペット、波打ち際には白い波が打ち寄せ一面広がる絵はがきのような写真に驚く。
沖縄が日本に変換される前も観光に荒らされず、自然の美しさに感動を呼んだが、透明感と水の色は凄い。手厚い保護が加えられて居るようだが、同じ地球上にもこんな所があるのだと、改めて関心させられる。
こんな大パノラマの前で素敵な相方と何時までも水平線の彼方を眺め、自然の中に吸い込まれる。思わず熱気が自然と伝わってくる。
「?(°_ 。)?(。_ °)?ふーん、畜生アチチチ」
沢山撮った分厚い写真集の中にほのかな新婚さんの気分が、メキシコ湾の熱気と一緒に我が家に持ち込まれた。
それにしても、世界旅行が気軽に大変身近になった。
所で我が家にも、新婚旅行は有ったはずだが・・・。
列車とバスの周遊で那須、裏磐梯、福島飯坂温泉の東北旅行が総てであった。幾組かの新婚カップルも、車中では一緒になり、定番コースに乗せられ、束の間の旅を楽しんだ。当時では身の丈の身分相応の旅であったようであったが、時代の経過と共に彼我の差が余りにも大きい。

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