
雲も無く、風もなく日中は33、4℃容赦無く照りつける猛烈に暑かった。
一気に吹き出る汗にシャツはもうビショビショに濡れていた。
会議も終わって、引き揚げるとき、かんかんに照りつける日に脳味噌も溶けそうで多少遠回りでも、ともかく日陰が欲しい。
崖づたいに樹木に覆われた木陰があり、「おお〜ラッキイ」と思いながら、やあ快適と涼みながら藪のなかの道を降りて行く。
辺りは鬱蒼とした藪に覆われ、僅かな踏み跡を頼りに、一歩一歩行くと、此処はこれ以上通さないぞとばかり長い物が踏み跡を横に居構えていた。
「ぎゃあ〜蛇だあ〜」1m程の長さに10〜20mm程の太さでネズミ色っぽい、保護色のまむしが鎌首を擡げ行く手を阻んでいる。
警戒はしながら、歩いてはいるものの、その保護色にあわや踏みつけていたらと思うとゾウッと背筋に戦慄が走る。
「動かない、どうしよう」棒で引っぱたいてやったら、反撃してくるのか?
このまま引き下がり、この道を回避して道を選ぼうか?しばし考えた。
そのうちにこちらの気配を感じたのか、そそくさと藪の中に入って行った。
しめた、今のうちだ、蛇の鎮座して居た其処を一目散で通り抜け、難を逃れた。
う〜ん看板はだてではない、本当に居るんだ。
木陰から飛び出てコンクリートの道を出てホットした。
冷や汗でさらにビッショリ、カンカン照りのコンクリートを再び歩き、帰路に着く。ふう、この暑さにまむしも飛び出てきたのか、久しぶりの有り難くない対面であった。

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