先週のチャットにおける宿題:
無簧(むこう)楽器=リードがない管楽器
フルート・横笛、尺八、ケーナ、リコーダ、及びオカリナなど・無簧(むこう)楽器の発音原理について考察せよ。多分、カルマン渦が関わっているのだろうが・・・。
ということで、調査の結果を報告致します。(・・・まるで、会社の報告書)
1) 無簧(むこう)楽器の発音原理について、カルマン渦以外のもので説明され
たものは見つからなかった。。。<(_ _)>
・・・流体力学に慣れ親しんだ方(あるいは物理・数学に強い人?)は
→ 「渦対と渦輪、エオルス音の音源モデル pdf 」 を参照下さい。
音圧までを包含する考察は、謎?というより・・・・日本語的意味不明
音圧を支配するのは「渦対」の間を上下に変動している流れ・・なのかも。
2) 無簧(むこう)楽器において、カルマン渦の発生体は「歌口にあるエッジ」
である。フルートの歌口もよく観察すると、長穴の内側は鋭いエッジ状に
なっている。
3) 無簧(むこう)楽器において発生するカルマン渦の周波数は以下の様に推
算される。
f = St x U/d
f : カルマン渦列の発生周期=周波数 Hz
St : ストローハル数(カルマン渦に関する実験から得られる定数)
U : 空気の流速 m/s
d : 流体に接する個体の代表長さ m ( ここではエッジの厚み )
此処で「ストローハル数」とは、無次元物性のひとつで、「時間変化による慣性」と
「運動変化による慣性」の比である・・・らしい。
4) 無簧(むこう)楽器において発生する周波数は、仮に「代表長さを
2mm 」
「ストローハル数を
0.2 」とすると、偶々 f = 流速(m/s) x 100 Hz に。
その場合、フルートの基音C(262Hz)を出すときの流速は U = 2.62 m/s
3オクターブ上のC では U = 7.86 m/s の値となる。
5) 無簧(むこう)楽器のエッジが鋭いのは、人間に可能な低流速で通常の音域
周波数をカバーさせるため、と思われる。
6) この広い流速範囲に対し、同じ音量(渦パワー)のまま、音程(流速)だけを
制御しょうとするのだから(?未解決)、管楽器の演奏は難しい。。
息抜き: 「カルマン渦列のアニメーション」ほか。
「翼周りの流れ」アニメーションでは、迎え角が20度前後辺りから生じ
る
「失速の模様」が観察できます。
これらの画像を眺めていると、この世界は「カオス」であるとともに、
映像には現れない「フラクタル」(自己相似性模様)の顔をも併せ持っているかのようです。