活字情報では、文字に出来ない部分は分からない。
音声情報には、耳障りの良い文句しか無い。
前半20分。
カメルーンの選手のユニフォームは、既に汗でずぶ濡れ。
日本の選手達は、まだ息すら上がっていない。
何か感じないだろうか?
不自然さを感じないだろうか?
あくまでこれは俺の予想だが。
カメルーン御一行様は、かなりの強行スケジュールでこの試合に臨んでいるんじゃないだろうか?
日本に辿り着いたのは、例えば前日の遅くか当日の早朝。
それも格安の航空券を駆使して、乗り継いで乗り継いでの来日。
時差調整も出来ぬまま、試合開始数十分前にスタジアムに到着。
そんなんじゃないだろうか?
カメルーン代表は、瞬発力という身体能力が売りの強豪だ。
カメルーンの力は、あんなモンじゃない。
おそらくカメルーンの選手の体調は、ベストの2割位じゃないだろうか?
アフリカの国家代表チームは、金銭面での揉め事が多い。
ワールドカップでは、アフリカのチームだけが、協会からきちんと報酬を貰えるのか心配していた。
元セネガル監督のメツは、脅迫まがいの事をしなければ、何ヶ月も未払いになっている給料を貰えなかったという。
協会の不誠実な対応が原因で代表引退してしまったセネガル人もいるという。
元カメルーン代表エムボマは言った。
「カメルーンは貧しい」
6年前の日韓W杯では、飛行機を何便も乗り継いで、数日遅れでキャンプ地の中津江村に到着した。
移動中に口にしたものは、水だけだったという。
W杯という大一番に臨むA代表ですら、そんな状況なのだ。
ましてやこれは、単なる親善試合に臨む、フル代表でもないチームである。
舞台裏がどんなんだか、俺には大体の想像は付く。
実況中継やテキスト速報では、楽屋裏までは分からない。
だからこそ、出来るだけ行間を読み取ろうと俺は、努力せずにはいられない。
だからこそ、大差で勝たなければいけなかった。
ゼロゼロで終わらせていい訳が無かった。
本番では、今日のカメルーンみたいなチームなんて何処にも無い。
今日の相手はパジャマを着て試合に臨んでいた。
本番ではさすがにユニフォーム姿で真剣勝負するだろう。
「あのカメルーン相手に、今日はよくやった」
「今日はなかなか、良い内容だった」
そんな事を思い付く人が万が一、選手の中に1人でもいるなら、本番では絶対に1勝も出来ない。
それは断言できる。
親善試合なら、勝って知ったる自分の国で思う存分調整出来る。
本番の舞台は、日本ではなく中国である。
■国際親善試合(6/12)
U-23日本 0 – 0 U-23カメルーン
@国立
勝て、イ・チュンソン!

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