ボールがゴールラインを越えれば1点。
越えなければ0点。
サッカーは単純な競技だ。
雨の味スタ。
数日前に音楽関係のイベントが有ったり、2つのクラブが本拠地として使っていたりで、正直、芝の状態が心配だった。
思った程ピッチコンディションは悪くない様だ。
試合開始。
レイソルにシュートの場面が訪れるも、得点ならず。
その後は一進一退の攻防が続く。
いや、寧ろFC東京がボールを持つ時間帯が徐々に増えてくる。
FC東京の選手には、テクニシャンが多い。
ボールキープの技術という意味では、このクラブは間違い無くJの中の5本の指に入る。
FC東京の選手に前を向かれたら、レイソルの選手は中々ボールを奪えない。
やっとボールを奪えても、パスが3人4人と続かない。
試合も後半。気づいたら、レイソルゴール前で相手に良い様にボールを回されていた。
完全に「鳥かご」状態になっていた。
ボールを持つ相手にプレスを掛けてボールを奪い、次の瞬間に相手ゴール目掛けて走り、3人、4人単位でのパス交換を軸にゴールを陥れる。
これがボスの目指すサッカーだというのは分かる。
だがこの日は、その自分たちのやりたい事を、相手にやられていた。
ボスは煮えくり返る想いでピッチを見詰めてなかっただろうか。
そのボスは、スペインのFCバルセロナのファンだという。
今オフにも試合観戦に本拠地のカンプ・ノウまで訪れていた。
ロナウジーニョ。メッシ。エトオ。デコ。プジョール。
各国代表級の千両役者で固めたバルサは、長年の間リーガ・エスパニョーラ(スペイン国内リーグ)の優勝争いの常連だった。
当然、常勝を義務付けられていた。
だが昨シーズン、今シーズンと、ソシオ(バルサのファンクラブの会員)が納得出来る成績を残していない。
特に今シーズンは散漫な試合運びが続き、試合中にはサポーターからのブーイングが選手に容赦無く向けられ、練習場では「1日8時間練習しろ!」、アンケートでは「○○辞めろ!」という声が後を立たない。
勝てる試合を落とす場面が目立ってきている。
千両役者のチームなら、大概は簡単に勝てそうなものなのに。
サッカーは複雑な競技だ。
「ロッカールームに自分勝手な奴がいる」
「黒い羊発言」と言われた、選手のこの一言で、今シーズンの序盤からバルサは大きく揺れていた。
その中で低調な試合を続けると、ソシオの批判の目は監督や選手に向く。
デコは「無冠で終わったら今シーズン終了後の移籍に移籍する」と公言しているし、ロナウジーニョはビッグクラブからの争奪戦の標的になっている。
そんな中で迎えた5月7日。
既にバルサにはリーガ制覇の可能性が断たれていた。
だがアウェーで行われるこのカードは、フランコ独裁政権からの因縁が今まで続く歴史的
なダービーであり、置かれた立場はどうであれ、両チームの関係者にとって絶対に落とせない試合だった。
エル・クラシコ。
バルサの選手はいつもの様に軽いプレーで簡単にボールを奪われ、相手の術中に嵌っていた。
たまにボールを奪っても、攻撃は単なる個人技頼り。
今のバルサには華麗なプレーが浮かんでも、組織の絵面は浮かんでこない。
ボスが目指しているのは、こういうチームではない筈。
一心同体から程遠いこの姿ではない筈。
エル・クラシコの主役は、ホームチームの選手達だった。
このチームは、嘗て「銀河系」と言われ、4番打者ばかりを掻き集めていた割には、結果が出ていなかった。
監督交代を期に選手層は一変。体質改善に成功したレアル・マドリーの選手達は、今や肉体労働を厭わない戦士になっていた。
■リーガ・エスパニョーラ第36節(5/7)
レアル・マドリー 4 – 1 バルセロナ
@サンチャゴ・ベルベナウ
この試合の直後、今シーズン終了後のバルサの監督の交代が決まった。
良い様にボールを回されているだけ。チームプレーになっていない。
そういう印象がどうしても俺には拭えない。
いつになったら、このチームは一心同体になるんだろうか?
■リーガ・エスパニョーラ1部リーグ順位表
(36節終了現在/全38節実施)
1.レアル・マドリー 81
2.ビジャレアル 71
=========チャンピオンズリーグ出場決定圏=========
3.バルセロナ 64
4.アトレティコ・マドリー 61
=========チャンピオンズリーグ出場可能圏=========
5.セビージャ 58
6.ラシン・サンタンデール 56
============UEFAカップ出場決定圏============
7.マジョルカ 53
8.デポルティボ・ラ・コルーニャ 52
9.ビルバオ 49(得失点差0)
10.アルメリア 49(得失点差+3)
11.エスパニョール 48
12.ベティス 46
13.ヘタフェ 45(得失点差-4)
14.バレンシア* 45(得失点差-20)
15.バジャドリー 43
16.サラゴサ 41
17.オサスナ 40(得失点差-7)
================2部自動降格圏================
18.レクレアティボ・デ・ウェルバ 40(得失点差-22)
19.ムルシア 30
20.レバンテ 26
*スペイン国王杯を制覇した為、UEFAカップ挑戦権を獲得
(5/7現在)
相手がボールを回す時間帯が長引き、中々攻撃の形を作れない。
だが、この「金町クラシコ」でのレイソルはゴールを許さなかった。
決定的な場面で最終ラインの選手が壁になり、ボールがゴールラインを超える事を許さなかった。
キャプテン翼に出てくる「ファンキー・モンキー・ガッツマン」こと石崎。
この試合のレイソルには、石崎が3、4人居た。
ゴール前で相手が縦にドリブルで入っていた時、絶妙のタイミングで走る速度を調整して、シュートコースを切った石川直樹のプレーも見逃せない。
あれが無ければ、確実に1点モノだった。
攻撃の失敗は選手に通常の倍の疲労をもたらす。
その隙を突いて、レイソルが先制に成功した。
その後、FC東京は前線に身長の高い選手を並べ、割り切って放り込みのプレーに徹底する。
そして古賀が負傷退場。
高さで対抗できる選手がレイソルにいなくなる。
地味に徹したレイソルの選手は、最後の最後で壁になり、ボールがゴールラインを越える事を許さなかった。
耐えて耐えて、試合終了の笛が鳴った。
この勝利は、誉められるべきだろう。
レイソルにはロナウジーニョもメッシもいない。
カンプ・ノウみたいに5万も10万も人を入れられるスタジアムを持っている訳でもない。
限られたお金では、バルセロナみたいに代表選手ばかりを補強する事は出来ない。
それでも、レイソルにはチームプレーを熟知した人で溢れている。
レイソルの選手達は、黒子役を厭わない。
レイソルのロッカールームには、自分勝手な奴はいないと信じている。
たとえ4番打者でスタメンを固めなくても、試合には勝てるのだ。
一心同体さえ有れば。
それさえ有れば、最後の一線で踏みとどまれる。
■J1第12節(5/10)
柏レイソル 1 – 0 FC東京
@味スタ
■J1順位表
(12節暫定/全34節実施)
1.浦和レッズ 26
===============ACL出場決定圏===============
2.名古屋グランパスエイト 23
3.川崎フロンターレ 20(得失点差+3;総得点20)
===============ACL出場可能圏===============
4.FC東京 20(得失点差+3;総得点18)
5.柏レイソル 19
6.鹿島アントラーズ*2 18
7.横浜F・マリノス*1 17
8.大分トリニータ*1 16(得失点差+5)
9.大宮アルディージャ 16(得失点差+3)
10.ヴィッセル神戸 15(得失点差0;総得点16)
11.ガンバ大阪*2 15(得失点差0;総得点13)
12.アルビレックス新潟 15(得失点差-4)
13.ジュビロ磐田 14(得失点差-2)
14.東京ヴェルディ 14(得失点差-5;総得点14)
15.京都サンガ*1 14(得失点差-5;総得点10)
==============入れ替え戦出場圏==============
16.清水エスパルス*1 12
===============J2自動降格圏===============
17.コンサドーレ札幌 10
18.ジェフ千葉 5
*1 11試合消化
*2 10試合消化
(5/10現在)
おおおお、ジェフが勝っている……。

0