訳有って家を離れた者も、やはり家族。
去年レイソルに在籍していたマルシオ・アラウージョ。
ディエゴの契約延長交渉の決裂の報を受けて、彼はレイソルにやって来た。
2006年にレイソルで活躍していたトップ下の選手であるディエゴの得意技は力強いドリブル。
これでピッチを切り裂き得点を量産し、レイソルのJ1復帰に多いに貢献した。
ディエゴは攻撃的なミッド・フィルダーの選手なのだ。
そのディエゴの代わりを、アラウージョは求められていた。
レイソルはトップ下の選手として、攻撃的な役割を期待して、アラウージョを「緊急発注」した。
ボスは同じく新加入のボランチのアルセウ、アラウージョ、そしてフォワードに陣取るフランサの3人でブラジル人の縦のラインを作ろうとしていた。
アラウージョが来日したのはJリーグ開幕直前。
キャンプはとっくに終わっていた。
自分を回りに分からせるには、時間が不足していた。
指揮官の期待に応える為には、ぶっつけ本番でやるしかなかった。
ボスが求めているのはトップ下のプレー。
ボスが求めているのは攻撃的な役割。
古巣のアトレチコ-MGで、彼は主にボランチの位置でプレーしていた。
チーム事情によって、サイドバックのポジションを取ってた事も有ったという。
得点に絡む事は非常に稀だが、堅実なプレーをする選手だった。
アラウージョは守備的なミッド・フィルダーの選手なのだ。
だがここは馴れ親しんだ母国のクラブではない。
馴れ親しんだ自分のポジションには、アルセウがいる。
アルセウはレイソルが守備的な役割を或る程度期待して、ボランチの選手として補強した選手。
しかもキャンプに参加し、コミュニケーションにはあまり問題ない。
ボスはボランチの選手としては、当然アルセウを使うだろう。
自分の位置には先約がいる。
ここで生き残るには、プレースタイルを変えるしかない。
それもすぐに結果を出すしかない。
レイソルではトップ下の選手として、アラウージョは出場した。
攻撃面での活躍が出来ない日々が続いた。
それでもボスは何試合かは我慢して使っていた。
そしてベンチに追いやられ、いつしかメンバー入りすら遠ざかっていた。
そのシーズン途中に、アラウージョは古巣に帰った。
アラウージョは完全な「誤発注」だと俺は思う。
おそらく代理人が編集したゴールシーンの映像だけを見て、スカウトは補強を決めたんじゃないだろうか。
外国のクラブから選手を補強するなら、その国やそのクラブの事情をきちんと調べ上げた上で動かなければいけないんじゃないだろうか。
どんな人にも得手不得手はある。
それを無視してはいけない。
さて、ブラジルは今、夏。
州選手権の時期だ。
ブラジル国内リーグ・カンピオナートが始まる前の、肩馴らしの意味合いの有るリーグだ。
だが幾ら「プレシーズンマッチ」とはいえ、下手したら下部リーグに降格したり、監督の首が飛んだりと、なかなか油断出来ない真剣勝負の世界である。
そんな舞台でアラウージョは今、地味に活躍している。
黄色の戦闘服から白黒の縦縞のユニフォームに着替え、本職のボランチやサイドバックに戻った。
彼は輝きを取り戻している。
■ミネイロ州選手権順位表
(6節終了現在/全11節実施)
1.クルゼイロ* 15
2.トゥピ 14
3.アトレチコ-MG 12
4.グアラニ-MG 9(勝利数3;得失点差+2)
============決勝トーナメント進出============
5.デモクラッタ-GV 9(勝利数3;得失点差-2)
6.リオ・ブランコ 9(勝利数2)
7.ヴィラ・ノヴァ 7
8.イパチンガ 6(勝利数2;得失点差-1)
9.ソシアウ 6(勝利数2;得失点差-4)
10.デモクラッタ-SL 6(勝利数2;得失点差-5)
==============2部リーグに降格==============
11.イトゥイウターバ* 5
12.ウベラーバ 2
*クルゼイロ、イトゥイウターバは5試合消化
(3/2現在)
※勝ち点で順位が決まらない場合は勝利数で、それでも決まらない場合は得失点差で決める
この大会のアラウージョのここまでの得点数は0。
そして貰ったイエローカードの数が、割と少ない。
アラウージョは決してアルセウの様な「体当たり型」の選手ではない。
彼の本来の得意技は、明神(現ガンバ大阪)がやる様な、「位置取り」という意味でのテクニカルなプレーなのではないか。
レイソル時代のアラウージョのコメントは、今のところ見当たらない。
レイソルでの経験が何処まで役立ってるか知らないが、とにかくアラウージョは活躍している。
5月になれば国内リーグが始まる。
マルシオ・アラウージョのこれからの活躍を祈る。

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