「運天 ジョン・クレイトン(北海道日本ハムファイターズ)」
ドラフト関連・寸評
運天 ジョン・クレイトン(北海道日本ハムファイターズ)投手 右投げ右打ち 180センチ74キロ
高校時代は長身と端正なマスクから「沖縄のダルビッシュ」と呼ばれた好投手。素材の良さはスカウトから大きく注目され、予選には多くの球団、ライター、コアなファンが沖縄に駆けつけたのは記憶に新しい。私は高校時代の勇姿を確認することができなかったわけだが、プロ入りの投球を確認できれば、絶対に感想を述べようと考えていた。しかし未確認の選手をチェックしたらすべて寸評として残すほど私はお人好しではない。昨年だって未確認の選手を見ることがあっても期待通りのパフォーマンスを見せることがなければ取り上げることはしなかった。今回この寸評を取り上げるということは彼の投球が私の期待以上の投球を見せてくれたこと。それに尽きる。今日(2011年2月16日)の阪神との練習試合で登板した運天は1イニングを投げて2四死球を出したものの、2奪三振を奪い、イキの良い投球を披露してくれた。この興奮が冷め切らないうちに感想を書いておこう。
(投球スタイル)
ストレート マックス146キロ
常時140キロ〜145キロ
スライダー 125キロ〜130キロ中盤
ツーシーム 140キロ前後
鋭い腕の振りから投げ込まれるストレートはコンスタントに145キロ前後を計測。キャッチャーミットまで勢いが全く落ちず、まさにミットに突き刺さるような勢いという表現がぴったりな投手。まだ仕上がっていない投手が多い中で彼のストレートは衝撃的であった。生き残りかけて必死に腕を振っている姿に多くのファンを痺れさせたに違いない。むしろ私はライブで見て興奮してしまったのだから。高校時代は瞬間最速的に147キロを出すことはあっても、コンスタントに145キロ前後を計測することはなかったのだから、プロ生活によって伸びたのだろう。それは体格面が逞しくなったことが大きく影響していると考えられる。下記の寸評を見ていただければ分かる通り、高校時代は65キロ。それから10キロ近くも増量したのだから、ストレートの質が変わるのも当然だ。ストレートならばプロの一軍レベルに達していると考えられる。しかしストレートが一軍レベルだけでは定着はならない。今度は変化球を見てみよう。確認できたのはスライダーとツーシームの2球種。スライダーは130キロ台を超えており、手元で切れる代物。これは武器として使える球種だろう。ツーシームはストレートとほぼ変わらないスピードで変化をつけている。恐らく芯を外す為に使っている。この試合でも期待の大砲・森田からツーシームを投げて芯を外して打ち取っていた。この球種がどこまで武器になるかは未知数だと考えている。変化球は2球種しか確認できていないので、まだ投げていない球種もあるかもしれないが、使えなければ、意味を為さない。現状はストレートで押す投球と考えている。
(クイックタイム)
クイックタイムは1.1秒〜1.2秒とまずまず素早いクイックが出来ているが、コントロールを乱してしまっており、完璧なクイックが出来ているわけではない。この技術を向上させていかないと一軍定着は難しい。
(打者への攻め)
・右打者
外角中心にストレート、スライダーを投げ分ける配球。両球種ともストライクゾーンに通過させる制球力はあり、破綻はない。ただそれ以外に武器となる球種はあるのか?というと現状はまだない。
・左打者
外角中心にストレート、スライダー、ツーシームを投げ分ける配球。基本的にツーシームを投げ分ける芯を外す狙いが見える。こちらもストライクコースに収める制球力はあるが、外角中心で引き出しは少ない。一軍の強打者と対峙した時、どう対処していくのか? そこが興味深い。インコースは攻めることはできない投手。なぜかというとインステップ気味でストレートがシュート回転してしまう。シュート回転といったら語弊か。リリースの方向がどうしても三塁側に向いてしまうので、インコースにストレートを投じた場合、真ん中に入ってしまう。
まとめるとまだ引き出しが少なく、ストレートの勢いがあってこそナンボの投手だ。まだ仕上がっていない段階だからこそ抑えられたが、主力選手がどんどん出てくるオープン戦終盤まで生き残れるかということになる。今の投球だと厳しいと思うが、小手先に走りすぎるよりもあれほどストレートを押していけるのは打者にとって脅威になるはず。引き出しを増やしても強く腕を振る姿勢は忘れないで欲しい。
(投球フォーム)
セットポジションから入る。左足を回し込むように上げていき、軸足(右足)は真っ直ぐと上げることができており、軸のバランスは非常に良い。これほど高く上げてバランスよく上げることができているのは相当下半身を鍛えている証拠だ。左足を三塁方向へ伸ばしていき、体を沈み込ませ、踵から着地を図る。体を沈み込ませ、捻転動作は維持しないので、フォークの習得は難しいフォームだ。左腕のグラブを斜めに伸ばして引き込んでいき、開きを抑え込んでいるように見える。コンパクトにテークバックを取って、しっかりとトップに入りリリースしていく。インステップ気味で腰が若干つまり気味ながらも腕の振りの鋭さは維持できており、尚且つ打者寄りで離すことができている。高校時代よりも腕の振りの位置を若干下げたようだ。
(まとめ)
まとめるとストレートの球速以外は一軍で活躍できるレベルではなく、もう一段階投球レベルを引き上げなければ、定着は難しい。とはいえ、高卒1年でここまでストレートのスピードのアベレージをここまで引き上げ、球威を向上させたのは彼の取り組みを評価するべきだろう。とりあえず今日の投球で首脳陣は高く評価したはず。課題は多くあっても、これからも一軍の打者と対戦させて機会は出てくるはずだ。まずは二軍でじっくりと磨くと悠長なことを言っている場合ではない。今は勢いのあるうちにしっかりとアピールをして、生き残りをかけていくしかない。そういう経験を重ねるごとに彼も一歩ずつプロ野球選手に近づいていくのだ。
今回は感想と述べながら、一軍を想定してあえて厳しく注文をつけてみた。しかしこういう形になるのは彼がようやく一軍を想定できるレベルにまで達したということ。高卒1年目の彼がここまで成長したのは嬉しく感じる。ぜひ故障に気をつけ、今年中に一軍登板を経験してほしい!
去年の成績 18試合 0勝0敗 投球イニング39 四球26 三振26 被安打61 防御率9.46
運天ジョンクレイトン(浦添工業)右投げ右打ち 投手 180センチ65キロ
沖縄を代表する本格派右腕。端正なマスクなので、「沖縄のダルビッシュ」と呼ばれる投手だ。
ストレートのマックスは147キロ。変化球は縦横のスライダー、チェンジアップ、カーブと一通りの球種は持っており、それなりにまとまった投球も期待できる。
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動画を見れば、彼の速球は非常に速いことが分かるだろう。目測で135キロ〜140キロ近くは出ていてもおかしくないのではないだろうか。
投球フォームについて。彼はノーワインドアップから投げる投手。ややトルネード気味に体を捻りながら足を上げていき、左足をぴんと伸ばしながら降ろしていく。そのテイクバックを取った時に右肩が入りすぎるので、負担は大きいフォームだ。その後、しなやかに力強く腕を振っていく。フィニッシュも力強く、土台の良いフォームであることが分かった。
投手としての素材は良いということは分かった。ただ速い球を投げることだけではなく、四死球は興南戦以外はなく、コントロールはまとまっている投手で、十分指名を意識できる素材だ。ただある人は普通の高校生で、なんとしてもプロに行きたい!という気概は感じられなかったと話す。激しい競争が行われるプロの舞台でその性格はどうなのかと気になるところであるが、素材は素晴らしいだけに彼を本気にさせることができる球団が指名してほしい。
回数 被安 奪三 四死 自責
1 回 戦:八重山農 7 2 4 0 0 147キロ
2 回 戦:宜 野 座 4 0 4 0 0
3 回 戦:宜 野 湾 4.2 1 6 0 0
準々決勝:興 南 6 5 8 4 2
21.2 8 22 4 2 防0.83
被安打率3.32 奪三振率9.14 四死球率1.66

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