2008/2/13
目を開けるとそこは、
シーン と静まりかえった闇の中だった。
「誰も・・・いない・・・?」 「誰かいるのかっ!?」 ・・・・・・
返事は何もない。 俺がここはどこなんだろう・・・
と悩んでいると、どこからか クスッ
という誰かの笑い声が聞こえた。
「誰だっ!?」 返事は相変わらずない。
ただ、 クスッ♪ という
楽しそうな笑い声が聴こえてくるだけだった。
「クスッ♪ あははっ」
「え・・・ その笑い声・・・ 美結喜か・・・っ!?」
「あーぁ。 ばれちゃったぁ♪ やっと気付いた?」
「やっぱり、美結喜なのかっ!?」
と言うと、美結喜が暗い闇の中から姿を現した。
「ごめんねぇ。 いきなり死んじゃって。
自分でもこんなに早く死ぬとは思わなかった・・・。」
「え・・・っ!? 死ん・・・だ・・・?」
翔太の頭の奥底に忘れ去られていた記憶が
今、鮮明にまぶたの裏に蘇る。
「あ・・・・・・」 翔太の目から次から次へと
涙が零れ落ちる。
「え、翔太っ!どうしたのっ!?」
「ごめん美結喜・・・ 俺のせいで・・・ 辛い思いさせて・・・っ」
「えっ・・・! そんな事ないって!
久しぶりのデートでうかれてて不注意だったのは
あたしだし・・・。それにねっ、相手も居眠り運転だったの・・・。
だから、俺のせいだ。って言って、自分を攻めないで・・・・・・」
翔太は、美結喜の目に光るものを見つけた。
「でも、俺・・・」
めずらしく翔太が弱気になっている。
「でも・・・じゃないでしょっ・・・
いつもの翔太は・・・
そんなに後ろ向きじゃなかったはずだよっ!
あたし、知ってるんだから・・・
だから・・・・・・ だから、いつもの翔太に戻って!
明るくて、前向きで・・・いつも元気な翔太に・・・。
頑張って! あたし、ずっと翔太のそばにいるから。
傍でずっと応援してるからっ!
翔太の事、ずっとずっと忘れないから・・・・・・っ」
美結喜は目に涙を浮かべながら俺の事を応援してくれた。
そして、暗い闇の中に、ゆっくりと消えて行った・・・。
その時、俺はふと疑問に思った。
「知ってるって・・・何を・・・だ・・・・・・?」
「・・・。 美結喜・・・・・・」
でも、美結喜は、俺の見えないところで・・・
俺の知らないところで、ずっと応援してくれてた。
今だけじゃない。 美結喜が死んでからも・・・。
俺は、今心に誓った。
美結喜の気持ち、しっかり受け取ったよ・・・。
決してお前を・・・ 裏切らないっ!!
・・・太っ ・・・・・・ 翔太・・・ 翔・・・
「翔太ってばっ!!!」 「はいぃっ!?」
俺はびっくりして目を覚ました。
ついでに、変な声まで出てしまった。
しばらく、その場がしらけた。
「・・・ ぷっ! あははっ! もうだめっ!
翔太、なにそのまぬけな顔っ!!! あははははっ♪」
「えっ!?」
「鏡見てごらんよっ」
優奈が必死に笑いをこらえながらそう言った。
鏡を見たら、俺の顔は涙と汗でぐしゃぐしゃになっていた。
「うわっ!なにこれっ! これって、本当に俺かっ!?」
あはははっ ・・・・・・ 2人の楽しそうな笑い声は
病室中に響き渡っていた。

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投稿者: korotoki0
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