富士山(三七七六メートル)は、古くから日本人が愛してやまない山である。その美しさ、霊峰的意味などもむろんあるだろうが、今日の富士山人気の最大の理由は、やはり一番の山だからということにあると思う。 山頂まで登る人が年間約三〇万人といわれる。それも、七月に山開さして九月上句までのわずか二か月余の期間に集中する。五合目までの入山者となると、年間二〇〇万人に及ぶ。富士山の環境問題を考えるには、これだけ大量のAがやってくるという現状を前提にしなければならない。 昼局峰だからAが登りたがる。 エペレスト(八八円ハメートル) にしてもそうだ。エペレストには、いまや毎シーズソ三〇〇〇人強の登山者が詰めがけ、頂上を目指す。三月は入山ラッシュで、エベレスト街道は荷物を上げるのも大渋滞、ベースキャンプは人とテントで埋め尽くされる。 世界最高峰、一番の山だから、人が来る。人が来るからごみが出る。ヒマラヤにはほかに右八〇〇〇メートル級の山示卜くつもあるが、エベレストのようにたくさんの人が登る山はない。 富士山も、日本最高峰だからこそ人が来る。 実はそこに悩ましさもある。 どうせ登るなら一番の山に登・りたい、というのは誰もが思うこと。「いや、俺は一番の山よりもこの五番目の山に登りたい」と言う人は、相当マニアックな人だ。そういうマニアはその山に対する思い入社が強しので、無造作にごみを捨てた・り汚したりげしない。、か一番であることに惹かれる人だらけ、もっと軽い気持ちで来る。山の環境ま言言識しかことのなしΛが多い。結果として、人が集ま社ば集まるほど、環境悪化に拍車がかかってしまうとい立面、がある。 日本人はとくに、有名なもの、人気かおるものに飛びっきやすい。「百名山」も大変な人気だが、あれも百名山というヘフラソドヘかあるから行きたがるのだろう。ブランドがなかったら、あんなに行かないけずだ。 とはいえ、人が行くことが悪いのではない私はそう思っている。人が増えたら増えたなりの対応策を考え、環境保護を実践すればいい。
野口健さんの本より抜粋
バイオトイレ

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