シェルパのごみ問題への意識はたしかに変かっか、が、彼らがけっして譲らない部分もあった。それは排泄物の運搬と処理。白分たちの立場ではそれはできない、ローカーストの仕事だという。シェルパは、ふだんも金を払って、自分化ちより低いカーストの人たちにやらせている。金があるなしの問題ではなく、それが彼らの社会の仕組みなのだ。 ヒマラヤで私たちの隊、が排泄物をどう処理しているかというと、可能な限り持って降りる。これはアメリカのやり方を参考にした。 例えばマッキンリーでは、入山許可の手続きをする際に、ビデオを見せられ、安全面、環境面におけるレクチャーを受ける義行がある。ごみを捨ててはいけない、排泄物も袋にいれる。南極はさらに厳しくて、排泄物はすべて持ち帰る。大便だけでなく、尿も勝手なところにできない。にしてはいけないと決められている。私か行ったときは、ベースキャンプにドラム缶があ ゛り、そこにするようになっていた。本当に環境に配慮するには、そこまで徹底しなければならな卜。 ヒマラヤでの屎尿処理は、各登山隊の裁量に任されている部分、が大きい。標高の高さゆえに、限界もある。八〇〇〇メートルともなると、酸素を吸入しなければ息ができない状態だ。そんな苦しい状況のなかで、ウソチを袋に入れて持って降りられるかというと、なかなか難しい。そういうときは、やむなく埋めることになるは、六六〇〇メートル地点のベースキャンプでは、携帯トイレを使っていた。マッキンリーで使われているものと同じで、粉を入れると固まるようになっている。使用後、袋の‥]を縛って持って降りる。四三〇〇メートルくらいのところに、氷河が途切れて土があるところ、があるので、そこまで降ろして埋めている。もちろん袋も自分で分解する成分でっくられている。 ヘリが回収に来てくれるわけではないので、その大便の詰まった袋を、自分たちの手で運はなくてはならない。ところが、この運搬をシェルパにやってもらうことができない。ごみを拾って山の村をきれいにしようということには前向きになれた彼らも、排泄物を運ぶことだけは絶対にウンと言わない。どんなにボーナスを出すと言ってもダメ、頑なに拒絶する。 「わかった、きみたちシェルパの分ち、ウソチは私たち、が全部降ろそう。その代わり、ほかのものはきちんとやってくれ」 ようやくそれで話がつ卜た。 シェルパは高山に強いという特徴を生かして、日本の山にアルバイトに来ることもある。山小屋の主Aがトイレ仕事を命仁子犬「ああ、ワクシ、それムリです。ワタシのカースト、ノト ノー」などと言う。何言ってるんだ、仕事だろう、と思っ子卜彼らにしてみればこれは理屈の問題ではなく、無理なものは無理なのだそうだ。 文化の異なる国では、こうした問題にぶっかることがしばしばある。 最初のうち、この排泄物を背負って運ぶ作業を、若し日本人の隊員がやっていた。ところが、シェルパたも、が、ウンチを背負う隊員乍、(カにするようになった。悪気があってのことではなく、カースト制のなかで染み付いた習慣なのだろう
バイオトイレ

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