【相談】
+++++++++++++++
いくつかの相談が、届いています。
それについて考えてみます。
+++++++++++++++
●Tさん(兵庫県在住)より、6歳の子どもについての相談
現在1年生の息子について、相談します。
年中児のときは、自分の席に座れなかったり、みんなと同じ事することを、嫌がったりしました。原因が分からないまま年長になりました。それから少しずつ良くなって、卒園のときは、普通の子どもになったように思います。
でも、たまに本人が嫌な事があるとき、教室を出ていってしまうことがあるようです。今は小学校に入学して、1か月以上を経ちましたが、幼稚園のときよりも、もっとひどくなったような状態です。
昨日も、英語の授業中、英語が喋られないということで、学校に置いてある荷物をすべて持って、家に帰ってきました。落ち着いてから、また学校に連れていきましたが、校門の中に入るのが大変でした。
悩んでいるとき、ネットで先生のホームページを見、是非先生のご意見を聞かせていただきたく、メールを出しました。どうぞ宜しくお願いします。
+++++++++++++++
【はやし浩司よりTさんへ】
メールだけでは、お子さんの様子がよくわかりません。こうして問題になさっておられるということから、症状が、かなり顕著に現れているという前提で話します。
「自分の席に座れなかった」……こだわりの強い子どものように思いますが、しかしこの時期の子どもにしてみれば、珍しいことではありません。年中児でも、席につけない子どもは、10人のうち、1人〜2人はいます。
そういうときは無理をせず、母親(おうちの方)といっしょに、席に座るなどの方法で、対処するのが、ふつうです。
反対に、回避性障害のある子どもや対人恐怖症の子どもも、同じような症状を示すときもあります。こだわりが強く、かん黙症や自閉傾向を示す子どももいます。こだわりが弱い状態を、(がんこ)といいます。
がんこにしても、子どもにとっては、あまり好ましい症状とは言えません。なお(根性)と(がんこ)は、理由のあるなしで区別します。かたくなになることについて、正当な理由があるばあいを、(根性)といいます。理由がなく、一方的にかたくなになるのを、(がんこ)といいます。
思考の柔軟性がないとみます。原因はいろいろ考えられますが、年長期を過ぎているということ、つまりすでに少年期に入っていますので、いまさら、それを問題にしても、しかたありません。「うちの子は、そういう子」と認めた上で、その子どもに合わせて、指導します。「治そう」とか、「直そう」とは、考えないこと。無理をすれば、かえって症状がこじれてしまいます。
「教室を出ていってしまうことがあるようです」……対人関係をうまく調整できない子どもとみます。しかしこういうケースでは、子どもを問題にする前に、家族のあり方をまず問題にします。
「子どもは、家族の代表」とみます。つまり代表者として、いろいろな症状を示していると考えます。ほとんどの親は、子どもに何か問題を発見すると、子どもをなおそうと考えますが、そういう発想では、子どものもつ問題は、解決できないということです。
いただいたメールだけでは、よく内容がわかりません。そのためにも、もう一度、家族のあり方を、よく見つめなおしてみてください。たとえば私なら、家に帰ってきてしまった子どもを、再び、学校へ連れ戻すなどということはしません。そうすることの上で、かなりの(無理)があったと思います。つまりかなりはげしく子どもは、それに抵抗したはずです。Tさんが、「中に入るのがたいへんだった」というのは、そういう意味でしょうか?
それから受ける衝撃は、かなりのものだったと思われます。むしろ私は、そちらのほうを、心配します。Tさんは、お子さんを、1人の人間として、認めておられるでしょうか? もしそうなら、それでよいと思いますが、そうでなければ、子どものとらえ方そのものを反省してみてください。
「ときには、いやなこともあるわよね」と、むしろ子どもの側で考えてあげる。そういう姿勢がないように感じますが、いかがですか? あるいはTさんは、「学校とは、絶対に行かなければならないところ」という神話を信じておられるのかもしれませんね。
ともかくも、いただきましたメールだけでは、お子さんの様子がよくわかりません。こうした問題は、ひとりで悩まないで、まず最初に、学校の先生に相談なさってみてはどうでしょうか。先生なら、直接、お子さんを見ておられますので、適切なアドバイスを得ることができるはずです。
また(心の問題)を感じておられるようなら、一度、心療内科のドクターに相談なさってみるという方法もあります。校長に相談すれば、専門医を紹介してもらえます。あるいは各地区の児童相談所、保健所、もしくは保健センターに育児相談の窓口がありますから、そこで相談なさるのもよいでしょう。
しかしまあ、いろいろトラブルはあるが、何とか学校へ通っている……というような状態であれば、あまり深刻に考えず、このまま進まれるのもよいかと思います。小学3年生くらいになると、自己意識が育ち、自己管理能力も育ってきます。そうなれば、今のような症状は、消えていきます。
いただいた相談の内容につきましては、(よくある問題)で、それほど深刻に考えなくてもよいのではと思います。私も、小学3年生のとき、学校を抜け出し、友だちと、木登りをして遊んだことがあります。とても楽しかったです。