長川千佳子先生「実践的・朝ドラ脚本」講座の見事さ
3月24日(土)午後6時ー8時の2時間、大阪中央区のエル・おおさか(大阪府立労働センタ−)で、間もなく放送を終了するNHK朝ドラ「芋たこなんきん」の脚本家・長川千佳子先生の特別公開講座が開かれた。
当日は折悪しくかなり激しい雨にもかかわらず、会場いっぱいの60人余の聴講者が集まり、長川先生の話を一言一句聞き漏らすまいという姿勢で聴いた。それは標題の「実践的・朝ドラ脚本」について、「芋たこなんきん」の脚本創作のプロセスを具体的に分かり易くほぼ1時間に凝縮して理路整然と話されたその話しぶりと内容によっている。そしてそれは同時に作品「芋たこなんきん」の魅力によるところが大きいことは言うまでもない。
さてその当日の講義の内容をお伝えしたいのだが、その全体をここで語ることはゆるされない。そこで、そのポイントをお伝えして、皆さんの想像力にゆだねようと思う。
講義は、「芋たこなんきん」の@企画Aテ−マB脚本のスタイルC構成D一週ごとの構成Eドラマの背景と、まさに緻密なドラマ構成を見るような見事さで展開された。
そしてそれらはもちろん作品「芋たこなんきん」に実際に描かれ結実されている。
たとえば企画で、田辺聖子先生の半生と作品世界に決めたのは、「洗練された大阪」「柔らかい大阪のことば」「豊かな大阪の食文化」などを表現するのにふさわしいと思ったからだという。またテ−マとして全体通して描いたのは「夫婦」であり、サブには戦争の問題や家族の問題などが設定されていたことが話された。またスタイルについても、これまでの朝ドラとは大きく趣きを異にして、現在と過去の回想が多用されたが、この形式は朝ドラとしては初めてのものであったという。一部で危惧された分かり難いのではという声は、視聴者からはきかれなかった。視聴者に受け入れられたのだと思うといわれた。加えて笑いの要素の重要性についても触れられた。長川先生ならではのものと言ってよい。
1週は90分である。作者は映画1本ずつというつもりで26週間40時間に近い物語を連続して紡いでいったという。その長い長い物語=ドラマもいよいよ終わりを迎える。さきにこのコ−ナ−で、町子の夫健次郎との最後の別れのことば(セリフ)について、この公開講座で作者自身の口からじかにきけるのではないかと言ったが、当日は直接きくことは叶わなかった。しかし、それはもう・・・・。