バンコクに行って来た。
アジアの街の共通の問題は交通渋滞。
タイを走る車の90%は日本車で、200万円を越える値段で売られている。
バンコクでの平均月収が6万円程度でみな5年ローン、7年ローンで買うという。
が、ものすごい渋滞。ひどいときは信号一つ1時間かかることもあるという。歩いたほうが早い。便利なのはバイクタクシー。渋滞の車の間を抜けてすいすいと走る。女性も平気で利用している。値段は交渉で決まる。車通勤の郊外に住むサラリーマンは渋滞を予測して朝5時には家を出るという。が、みんながそうするので朝5時台から渋滞が始まる。早めに会社についてから会社近くの路上に並ぶ屋台で朝食を摂るそうだ。車を持つのがステイタスなのか。
タイは上座仏教の国で仏像はみなブッダの像だという。
あらゆる欲を捨て去り悟りをひらいたブッダ。50日間の断食のあとの姿を現したという仏像を見た。骨と皮だけになった仏陀の顔は確信に満ちている。自由競争の経済政策の中で貧富の差を拡大させていく21世紀の人間たちにしかめっつらをすることもない。車を持つこととは程遠い生活をしているのであろう小さな屋台のおかみさんたちが朝その日のしこみをしているとき、托鉢のためにオレンジ色をした僧侶が回ってくる。大きな銀色の瓶に食料を入れる。入れながら両手を合わせて僧侶を拝む。僧侶たちはそうやって庶民から集めた食料を寺に持って帰る。渋滞で動かないピカピカの日本車の列の横で昔ながらのそんな朝の情景がこの国には残されている。アンバランス。でもそんなアンバランスさも含めて人の世。ブッダの像はそう悟っているかのように見えた。